韓国大統領、トランプ氏を「調停者」として歓迎 貿易摩擦は重要視せず

韓国・ソウル(CNN) 韓国の李在明(イジェミョン)大統領は22日、CNNのインタビューで米国との関係を称賛した。根強い貿易上の懸念は脇へ置き、アジア歴訪を控えたトランプ米大統領を「調停者」として歓迎する意向を示した。 李氏は、朝鮮半島の緊張が近年「悪化している」ことを認めた。この数時間前、北朝鮮は弾道ミサイルの発射実験を実施。李氏が6月に大統領に就任して以来初めてとなる実験だった。 それでも李氏はリスクを強調することなく、平和と対話を追求する必要性を繰り返し訴えた。またトランプ氏が南北間の溝を埋める可能性にも言及した。 李氏はトランプ氏と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記との対話が実現することを願っていると発言。「トランプ大統領は世界平和の実現を望んでいると確信している。だからこそ同氏に調停者の役割を担うよう提言した」 トランプ氏が月内に予定されているアジア歴訪で金氏と会談する可能性は依然として低いものの、李氏はその実現に期待を寄せた。 トランプ氏はまた来週、韓国・慶州で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席し、中国の習近平(シーチンピン)国家主席とも会談する予定だ。 インタビューでの李氏の口調は温厚なものだったが、この数カ月の間、韓国と米国の関係は緊張している。先月、米ジョージア州にある現代(ヒュンダイ)自動車の工場で移民税関捜査局(ICE)による強制捜査が行われ、韓国人を中心に約500人を逮捕・拘束。韓国国内で激しい怒りが巻き起こった。現代は韓国最大の企業の一つ。 拘束者が韓国に送還された後、トランプ氏はインターネットに投稿。他国や他国企業による対米投資を阻害するのは望まないと述べた。 就任からわずか1カ月後の7月下旬、李氏はトランプ政権と貿易協定の交渉を行い、韓国からの輸出品への高関税回避を目指した。これには、韓国から米国への3500億ドル(約53兆円)規模の投資フローも含まれている。しかし詳細な交渉は長引いており、韓国の主要自動車産業は不利な立場に立たされている。ライバルである日本や欧州の自動車産業は既にはるかに低い関税を確保している中、韓国企業は米国によって25%の関税を課せられるからだ。 李氏は、現在行われている協議において韓国と米国の間に「意見の相違」があることを認めたが、「民主主義と自由市場制度の価値に関しては米国が主導的な国であるため、最終的には合意に至れると信じている」と述べた。

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