安倍晋三元首相銃撃事件で殺人や銃刀法違反などの罪に問われている山上徹也被告(45)の裁判員裁判の初公判が、28日午後、奈良地裁で始まった。山上被告は2022年7月、奈良市で選挙応援中の安倍氏を手製銃で撃ったとして現行犯逮捕され、23年3月までに起訴された。判決は来年1月21日に言い渡される予定だ。 検察側は冒頭陳述で、山上被告の母親が旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に入信し、多額の献金を始めたことで、「被告にとって家庭は安住の地ではなくなった」と指摘。大学進学を断念し、職を転々とするなかで、「旧統一教会への恨みを募らせ、来日中の幹部の殺害を考えるようになった」と述べた。 しかし、コロナ禍で幹部の来日が不透明に。山上被告は安倍元首相が旧統一教会にメッセージを寄せたことをインターネットで知り、「安倍元首相を襲撃することで、旧統一教会の実態が注目を浴び、批判が高まると考えた」と、動機について主張した。