沖縄・石垣島の再開発事業をめぐる架空の融資を持ちかけ、保証金として1億円超をだまし取ったとして、警視庁は30日、東京都千代田区のファンド運用会社「BAR TRADING JAPAN」の社長、長谷迅容疑者（53）=港区=を詐欺容疑で逮捕し、発表した。「間違っている」と否認しているという。 捜査2課によると、逮捕容疑は2020年6～12月、都内のホテルなどで、愛知県内の会社社長の50代女性に対し「内閣府直轄で石垣島の再開発事業を行う。解体や建築だけでもすごい規模だ」「保証金として100万ユーロを支払えば、1千万ユーロを融資する」などとうそを言い、現金1億2600万円をだまし取ったというもの。容疑者のファンド運用会社が開発事業を行っている事実はない、と同課はみている。 容疑者は、雑誌に掲載された自身のインタビュー記事や、内閣府の資料を見せて信用させていたという。外国への送金や、自身が関わるサッカーチームのスポンサー料や監督の報酬などに充てていた、と同課はみている。 容疑者側は20年7月～21年5月ごろ、約10社から計約14億円を受け取っており、同課が経緯を調べている。（三井新、西岡矩毅）