NHK職員から政界入りの異色経歴…逮捕の立花孝志容疑者 各地の首長選に出馬も落選

元兵庫県議の竹内英明氏の名誉を傷つけたとして、名誉毀損(きそん)の疑いで9日に逮捕された政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)は元NHK職員だった。平成17年に週刊誌でNHKの不正経理を内部告発して退職後、政界入りした異色の経歴で知られる。 党の公式サイトなどによると、立花容疑者は大阪府立信太高校を卒業後、昭和61年にNHKに入局し経理部などで勤務した。依願退職後に政治団体「NHKから国民を守る党」を立ち上げ、平成27年4月に千葉県船橋市議選で初当選した。東京都葛飾区議を経て、国政選挙に進出。令和元年7月の参院選で比例当選。同年10月、参院埼玉選挙区の補欠選挙に出馬して自動失職し、落選した。以降は各地の首長選に出馬している。 政見放送などでは、NHK職員の平均年収を「高すぎる」と切り込んだほか、横領や空出張などNHK関係者による事件や不祥事が止まらないと指摘。受信料を支払わない人にはNHK番組を視聴できなくする「スクランブル」を実施するべきだとの主張を繰り返し、一部の支持を集めた。 昨年11月の兵庫県知事選では、再選を目指す斎藤元彦氏の応援を公言して立候補。斎藤氏を巡る疑惑などは事実ではないと主張し、選挙戦をかき乱した。また斎藤氏の疑惑を調査した竹内氏ら百条委員らへの批判をSNS上に投稿するなどしていた。その直後、12月の大阪府泉大津市長選に出馬、落選した。 過去には、NHKの受信契約に関する個人情報を不正に取得し、流出させるとNHKに迫ったとして、不正競争防止法違反などの罪に問われ、有罪が確定している。

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