「発言した事実を争うつもりない」名誉毀損疑いの立花孝志容疑者 逃亡や証拠隠滅の恐れを警戒して逮捕

NHK党の党首・立花孝志容疑者(58)が元兵庫県議の名誉を毀損(きそん)したとして逮捕された事件で、立花容疑者は「発言した事実について争うつもりはない」と供述していることがわかりました。 カメラに親指を立て、笑顔… 名誉毀損の疑いで10日に送検されたNHK党の党首・立花孝志容疑者。去年12月、街頭演説での発言で。 NHK党 党首・立花孝志容疑者(街頭演説での発言) 「何も言わずに去っていった竹内議員はめっちゃやばいね。警察の取り調べを受けているのは多分間違いない」 竹内議員とは、元兵庫県議の竹内英明さん。兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを県議会の百条委員会で追及していました。 元兵庫県議・竹内英明さん 「付せんを投げたということ、それは腹が立ったということ」 兵庫県・斎藤元彦知事 「目の前に投げて、放り投げてしまった」 しかし、竹内元県議は斎藤知事を追及した後、SNS上で誹謗(ひぼう)中傷の的に。去年11月に辞職。その2か月後に亡くなりました。 自宅でぐったりしているのを家族が発見。自殺とみられています。竹内元県議に関するウソの発言を繰り返すなどして、名誉を毀損した疑いが持たれている立花容疑者。 NHK党 党首・立花孝志 容疑者 「僕の認識では、お亡くなりになる1月18日までに僕は竹内さんに対してそんな何か僕自身は批判や誹謗中傷したという記憶はないんですよ。竹内さんのご冥福(めいふく)をお祈りいたします。終わります。NHKをぶっ壊す」 逮捕容疑は、竹内元県議への「生前」、そして「死後」の“デマ”。 これは死後、SNSでの投稿。 NHK党 党首・立花孝志 容疑者(竹内さんが亡くなった後のX投稿より) 「竹内元県議は、昨年9月ごろから兵庫県警からの継続的な任意の取り調べを受けていました。どうも明日逮捕される予定だったそうです」 今年1月には、兵庫県警のトップが個別の捜査について異例の言及。 兵庫県警・村井紀之 本部長(当時) 「竹内元議員につきまして、被疑者として任意の調べをしたことはありません。ましてや、逮捕するという話は全くございません。全くの事実無根でありまして、明白な虚偽がSNSで拡散されていることについて極めて遺憾」 警察から全面否定された立花容疑者。今年1 月の取材では、こう答えていました。 NHK党 党首・立花孝志 容疑者 「兵庫県の県警本部長が県議会で逮捕の事実・逮捕する予定があったとか、任意の事情聴取があったことを全面否定されましたので、その状況を受けて、私自身、事実と異なることをインターネットで発信したことについて謝罪させていただきます。大変申し訳ございませんでした」 自身の発言を“事実ではなかった”と認めて謝罪。 (Q:どのような取材をされた?) NHK党 党首・立花孝志 容疑者 「社会的なニュースに詳しい方からの情報が入って、別の方にも確認した。この方も県議会議員とか詳しい方。逮捕の事実はないけど、取り調べを受けているという話を聞いて、それなりの自信がありました」 一連の発信について、結果、“事実ではなかった”と釈明した立花容疑者。しかし、今年6月には竹内元県議の妻から刑事告訴されることとなったのです。 そして、9日午前3時40分すぎ、立花容疑者は、大阪府堺市の駐車場で逮捕されました。捜査関係者によると、立花容疑者が10月、ドバイに渡航していたことから、逃亡や証拠隠滅の恐れがあると判断したたため、警察が逮捕に踏み切ったといいます。 9日午後5時ごろ、リモートで会見を開いた竹内元県議の妻。 竹内元県議の妻 「刑事告訴を出して以降、どうなるのか不安や心配もありましたが、今はホッとしております。一つ大きな報告を仏前にできたことは区切りになったのかなと思います」 立花容疑者は他の県議を巡っても、ウソの発言や発信した疑いで書類送検されています。 NHK党 党首・立花孝志 容疑者(去年11月配信 公式YouTubeチャンネルの音声) 「奥谷謙一という百条委員会の委員長が、平気でウソついてるんですよ。兵庫県の皆さん」 「元県民局長が自殺したことを斎藤前知事の責任にしたがっているんですね」 「こいつなんとメディアに圧力をかけてるらしいです。『奥谷さんに言うなと言われている』という記者もいました」 斎藤知事の疑惑を調査した百条委員会の委員長、奥谷謙一県議について、去年、SNSなどで「亡くなった兵庫県職員の死因を隠した」などとする内容を複数投稿したほか、奥谷県議の自宅兼事務所の前で、「出てこい奥谷」「脅して自殺しても困る」などと発言したとされています。 立花容疑者の投稿がきっかけで、嫌がらせの電話やファクスが相次いだという奥谷県議は。 兵庫県・奥谷謙一 県議 「自分の意見を自由に述べること自体は、大変大切なことだと思っています。ただ、表現の自由や言論の自由といったものを利用・逸脱するような、非常に悪質な卑劣なデマであったり誹謗中傷は、社会全体として許してはいけないものなんだということが共有できればと思っています」 「私なりにも発信したんですけど、なかなかそういったデマを打ち消すことは難しいと思いました。発信力の強い人がデマを言ったり、誹謗中傷したりすることの怖さを思い知りました」 また、丸尾牧県議も、ウソの内容の街頭演説で名誉を傷つけられたとして、損害賠償を求める訴えを起こしています。 兵庫県・丸尾牧 県議 「僕もそうですし、竹内さんも奥谷さんも狙い撃ちされてというような感じがあった。近くでどんどん弱っていってるというか、しんどくなってる竹内さんも見てきた。気持ち的にもしんどかったですけど、やっとそれが、まだ途上ですけどね、報われるんじゃないかなっていう思いと、真相をきちんと明らかにしてほしいなということも一緒に思ったところです」 斎藤知事を厳しく追及してきた県議らについて、ウソの発言を繰り返してきたとみられる立花容疑者。 一方で、去年実施された兵庫県知事選では。 NHK党 党首・立花孝志 容疑者 「すごく変則的ですが、当選を目的としない選挙に今回は臨ませていただいています」 斎藤知事の支援を公言して立候補する、いわゆる“2馬力”選挙を実施しました。立花容疑者のウソの発言で支援を受けた形の斎藤知事は…。 兵庫県・斎藤元彦 知事 「個別の方のSNS投稿について詳細をすべて把握しているわけではないので、内容のコメントはできない」 (Q: 立花容疑者は“2馬力選挙”を主張していたが、SNSをご覧になっていない?) 「そうですね」 (Q:確認していない?) 「はい」 (Q:NHK党の立花党首のこれまでの投稿を一度も見たことない?) 「タイムラインで流れてくるものを目にしたことはありますが、詳細を見たことはない」 ウソの発言による誹謗中傷で名誉を傷つけられた県議が亡くなり、兵庫県政やその他の選挙にも影響を及ぼし続けてきた立花容疑者。 調べに対し、「発言した事実について争うつもりはない」と供述しているということで、警察は発言が繰り返された詳しい経緯を捜査しています。 NHK党の副党首で、参議院の自民党会派に加わっている斉藤健一郎議員は…。 NHK党 副党首・斉藤健一郎 参院議員 「逮捕されたということに関して、特にSNSかいわいで様々な憶測・推測が飛んでおりますが、あくまでも逮捕は逮捕ということで、罪が確定しているわけではありません」 (Q:伊東市長選の会見の前日に逮捕されたというタイミングについては?) 「このタイミングについても様々な憶測がSNS上で飛び交っておりますが、事実関係というのが明確にならない以上は、あまりSNS 等で推測を拡散していくということが、よく言われるSNS上でのデマ情報であったり、陰謀論であったりみたいなところの拡散につながりますので、責任というものが伴ってくると思いますので、その責任をしっかり持った上で発言するよう、個々がしっかり判断をして言論の自由の中で考えていかなければならない、今一つのいいきっかけになればなと私は思っております」

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加