企業などの引っ越し関連業務や社宅管理などを手がける会社「リベロ」(東京都港区)の営業秘密を不正に持ち出したとして、警視庁は10日、同業の「ビズリンク」(東京都千代田区)の代表取締役、早川健容疑者(53)=東京都三鷹市=ら男4人を不正競争防止法違反(営業秘密領得、開示)で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。 捜査関係者によると、他に逮捕されたのはビズリンク社員の30~50代の男3人。4人は不正な利益を得る目的で、共謀して昨年11~12月ごろ、リベロ社のサービスを導入する企業のリストを持ち出し、開示したなどの疑いが持たれている。 ■データを写真撮影、アプリで送信か 4人のうち、逮捕容疑当時にリベロ社に勤めていた男(37)が、顧客の情報を写真で撮り、データをビズリンク社員側に通信アプリで送信。データはメールで共有され、印刷して他の社員に手渡されていたと警視庁はみている。この男は今年1月、ビズリンク社に転職したという。 不正競争防止法は、企業の「営業秘密」の不正取得や外部への開示を禁じる。警察庁のまとめによると、2024年の「営業秘密侵害事犯」の相談件数は79件(前年比1件増)で、10年前の約3倍に増えた。(太田原奈都乃)