奈良小1女児殺害から21年「楓さんを忘れません」 母校で事件語り継ぐ集会

奈良市で平成16年、市立富雄北小学校1年の有山楓ちゃん=当時(7)=が誘拐、殺害された事件から21年となった17日、同校で児童らが命の大切さを考える「いのちの集会」が開かれた。児童らは鐘の音が7回鳴る中で、楓ちゃんの冥福を祈って黙禱した。 事件の風化を防ごうと毎年、事件が起きた日に開催している。会場の体育館では楓ちゃんの写真が映し出された。事件当時、同校教諭だった後藤誠司校長は「私たちは大切なことを教えてくれる楓さんを忘れません」と述べた。 事件当時小学6年だった地域代表の品川優人さんは現在まで続く集団登下校に触れ、「21年間、富雄北小でバトンがつながれてきた当たり前の日常をずっと先につなげるために何ができるか考えてください」と児童らに呼びかけた。 集会後は学年ごとに道徳の時間で「いのちの授業」が行われ、命の尊さへの理解を深めた。 楓ちゃんは平成16年11月17日に行方不明となり、翌日、奈良県平群町で遺体で見つかった。新聞販売店員だった小林薫元死刑囚が同年12月に逮捕され、後に死刑判決が確定。25年に刑が執行された。

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