【道警初摘発】国の許可受けずに電子決済手段を売買 利用した男女3人はいずれも特殊詐欺事件の被害者

札幌・中央警察署は2025年11月18日、資金決済法違反の疑いで札幌市清田区に住む自称・会社役員の男(49)を逮捕しました。 男は2023年12月から翌年2月までの間、国の登録を受けていないにも関わらず、暗号資産取引所の広告に応募してきた男女3人から現金合計132万円の振込入金を受け、その対価として合計約8420USDTを送付し、電子決済手段等取引業を営んだ疑いが持たれています。 別事件の捜査をきっかけに、男名義の口座が凍結したという情報を警察が入手。その経緯などを調べる中で男の嫌疑が浮上し、逮捕に至りました。 男が3人に送付した「USDT」とは、アメリカのテザー社が発行しているステーブルコインで、米ドルの価値に連動する仕組みの暗号通貨です。 本来、ステーブルコインなどの電子決済手段を売買することができるのは国から登録を受けた法人などに限られますが、男は個人で取り引きしていました。 調べに対し男は、「登録を受けないでUSDTを個人取引で売っていたことに間違いありません」と容疑を認めていて、「安く仕入れたUSDTを高く売って利益を得ていた」と供述しています。 資金決済法違反容疑での摘発は、道警では初めてです。 また警察によりますとこれまでの捜査で、男からUSDTを購入した男女3人は、いずれもSNS型ロマンス詐欺など特殊詐欺事件の被害者で、詐欺の犯人から指示を受けて現金をUSDTと交換していたことがわかったということです。 警察は、現金をUSDTに交換させることで、特殊詐欺犯がだまし取った現金のマネーロンダリングに悪用していたとみて調べるとともに、男が特殊詐欺事件に加担していたかどうかなど、全容解明を進める方針です。

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