セックス・ピストルズ結成50周年を記念し「シド・アンド・ナンシー」が、12月19日からシネマート新宿にて1週間限定で上映される。 アレックス・コックス監督が、1970年代後半、世界のカルチャーを揺さぶったパンク・ロックの真っただ中で、セックス・ピストルズのベーシストであったシド・ヴィシャスと、彼の恋人であり“パンクのミューズ”とも呼ばれたナンシー・スパンゲンが辿った、短くも過激で、破滅的でありながらも燃えるように純粋な愛を描きあげる。 パンクムーブメントの象徴となった二人の、疾走する青春と破滅への道を、鮮烈な映像美で描いた伝説的ラブストーリー。その短く激しい関係に鋭く迫り、恋愛映画でありながら“パンクの精神そのもの”を映し出した作品として長年にわたりカルト的人気を誇っている。 1978年10月12日、ニューヨークのチェルシーホテルの一室でナンシー・スパンゲンという20歳の女性が刺殺体で発見された。死体の側で放心状態となっていたのは、セックス・ピストルズのベーシスト、シド・ヴィシャスだった。殺人の容疑者として逮捕され、事情聴取を受けた彼は、バンドのグルーピーだったナンシーとの日々を語り始める。ナンシーと出会い、恋におちたシドは、周囲の反対をよそに、彼女と常に行動を共にし、2人でドラッグに溺れていく……。 ゲイリー・オールドマン(シド)とクロエ・ウェッブ(ナンシー)は鬼気迫る演技で観客を圧倒し、とくにウェッブは本作で1986年全米映画批評家協会賞主演女優賞受賞、また作品はサンパウロ国際映画祭1986で批評家賞を受賞した。さらに本作には、イギー・ポップ、コートニー・ラブらが出演。音楽はザ・クラッシュのフロントマン、ジョー・ストラマーが参加し、さらには ザ・ポーグスも楽曲を提供。映画全体を包む荒々しい美しさは、当時のロンドンの混沌と、80年代パンク/オルタナ界隈の熱気と空気をを鮮やかに呼び起こす。 上映期間中、来場者には先着でゲイリー・オールドマン扮するシド・ヴィシャスがベースを弾く姿を写したオリジナルポストカードが配布される。