トランプ氏、「エプスティーン・ファイル」公開を司法省に命じる法案に署名

アメリカのドナルド・トランプ大統領は19日、性犯罪で有罪とされたジェフリー・エプスティーン元被告(故人)に関するすべての資料の公開を命じる法案に署名したと発表した。 トランプ氏は自らのソーシャルメディア、トゥルース・ソーシャルへの投稿で、現政権の成果を認めたくない民主党議員らが、エプスティーン元被告をめぐる問題を大々的にアピールしていると非難。 「おそらく、こうした民主党議員らについて、そして議員らとジェフリー・エプスティーンとの関連について、真実がすぐに明らかになる。なぜなら、エプスティーン・ファイル公開の法案に、私がたったいま署名したからだ」とした。 法案は、司法省に対し、元被告に関する捜査で得たすべての情報を30日以内に「検索とダウンロードが可能な形式で」公開するよう命じるもの。 トランプ氏は以前、関連資料のファイルの公開に反対していた。しかし先週、元被告の被害者や与党・共和党の議員らからの反発に直面し、方針を一転させた。 これを受け、法案は18日に連邦議会の両院で、圧倒的な支持で可決された。 この法律で公開されるのは、金融業者だったエプスティーン元被告に関する犯罪捜査の文書。被害者や目撃者の証言記録、元被告の自宅などの家宅捜索での押収物、司法省の内部通信、飛行記録、元被告に関係した人物や団体の資料などがある。 議会は先週、元被告の遺品の中から2万ページ超の文書を公開した。今回の法律で公開されるのはそれとは別で、トランプ氏に直接言及した資料も含まれている。 例えば、元被告がトランプ氏について、「私は彼を倒すことができる」、「ドナルドがどれほど汚いか知っている」と書いた2018年のメッセージなどがある。 トランプ氏は長年、エプスティーン元被告の友人だった。ただトランプ氏は、元被告が最初に逮捕される2年前の2000年代初頭に、仲たがいしたと主張している。また、元被告との関係において不正行為をしたことはないと言い続けている。 ■一部非公開の規定への懸念 エプスティーン元被告は2019年、ニューヨークの拘置施設の独房で死んでいるのが発見された。当時、性的人身取引などの罪に問われ、裁判を前に拘束されていた。 元被告は2008年には、未成年による売春をもちかけた罪で有罪とされていた。 著名人らとの幅広い交流で知られ、イギリスのチャールズ国王の弟で元王子のアンドリュー・マウントバッテン・ウィンザー氏、トランプ氏の首席戦略官を務めたスティーヴ・バノン氏、メディア関係者、政界人、エンターテインメント業界人らと知り合いだった。 米ハーヴァード大学の学長を務めた、ラリー・サマーズ氏もそうした一人。同氏は、元被告との親しげな電子メールのやりとりが浮上し、19日に同大での教授職を休むと明らかにした。同大は、同氏と元被告との関係について調査している。 今回の法律によって、パム・ボンディ司法長官は、エプスティーン元被告および共謀者ギレイン・マックスウェル受刑者に関連する「機密扱いではない全記録、文書、通信、調査資料」を、法律施行後30日以内に公開するよう義務付けられる。マックスウェル受刑者は現在、性的人身売買罪で禁錮20年の刑に服している。 一方で、ボンディ長官は、法律の文言に基づき、文書の一部を非公開にすることもできる。公開が個人のプライバシーを侵害したり、進行中の捜査に影響したりすると判断される場合や、被害者の特定につながるようなときだ。 今回の法案を立案した一人のトーマス・マッシー下院議員(共和党)は、一部のファイルが非公開にされることを懸念していると述べた。 「(トランプ氏は)次々と調査を開始するのではないか。そして、その調査を理由に使って、ファイルを公開しないようにするのではないか。それが心配だ」 (英語記事 Trump signs bill ordering justice department to release Epstein files)

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