虐待の多くは給食の時間 保育園の防犯カメラに不適切指導100件超

福岡県田川市の私立「松原保育園」で保育士10人が園児に虐待行為をした問題で、園側は20日に改善報告書を公表し、6月に設置した防犯カメラに100件超の虐待を含む不適切指導が映っていたと明らかにした。給食の完食指導や中堅保育士の離職が背景にあったとしている。 報告書によると、虐待の多くは給食の時間に起こり、配膳用のトングで食べ物を園児の口へ直接運んで食べさせる、食べられない園児に暴言を吐く、別室に連れ込んで詰め寄る、口に箸を突っ込んでのみ込ませようとする、といった行為があった。 残さず食べるという呼びかけが「無理に食べさせても構わない」という誤った理解につながってエスカレートしたとしている。 園では直近2年間に、中堅を含む12人の保育士が園長との関係悪化などを理由に退職。若手が1人で担任を任され、心身に余裕がなくなったことも要因に挙げた。 県は10月、園の20~60代の女性保育士10人による虐待などの行為を確認したとして、運営する社会福祉法人「松原福祉会」に改善勧告を出していた。 これを受けて園側は改善報告書を今月20日に県などに提出し、公表した。 この問題をめぐっては、園児をたたいて顔に打撲の軽傷を負わせたなどとして、5歳児クラスの担任だった元保育士の女(25)=懲戒解雇=が傷害と暴行の疑いで19日に福岡県警に逮捕されている。(榎本瑞希)

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