不起訴の理由説明、警察歓迎 金沢地検の方針転換

金沢地検が警察の逮捕した容疑者を不起訴処分とした場合、その理由を報道機関に原則公表すると方針転換したことについて、石川県警の警察官からは21日、「良いことだ」などと歓迎や驚きの声が聞かれた。地検は同日、当面の間、毎週木曜に不起訴理由を説明すると明らかにした。 不起訴の主な理由は、犯罪の軽重や被害者の処罰感情などを考慮して起訴を見送る「起訴猶予」、犯罪の成立を認定する証拠がそろっていない「嫌疑不十分」、犯罪の疑いがない「嫌疑なし」の三つがある。 県警は「他機関の方針なのでコメントする立場にない」としている。ただ、ある警察官は、不起訴は一律に無実と考える人もおり、理由が分からなければ警察が誤認逮捕したと思われるかもしれないとし、「起訴猶予と嫌疑なしでは天と地ほど差がある」と話した。別の警察官も「不起訴イコール無実ではない」と語り、地検の説明方針を肯定的に捉えた。 刑事事件に詳しい中西祐一弁護士は、起訴猶予と明かされれば、世間から犯罪者だと認識されるため納得いかない人もいるだろうとし、「検察は今まで以上に事実認定を検討する必要がある」と述べた。 ●富山は非公表継続 方針転換は金沢地検の判断によるもので、富山地検は引き続き原則非公表とする方針を示している。 ●女性の身体触った疑い 加賀の54歳男性不起訴 金沢地検小松支部は21日、石川県迷惑防止条例違反(卑わいな行為等の禁止)の疑いで逮捕、送検された加賀市の無職男性(54)を不起訴処分とした。金沢地検は不起訴理由について、27日に小林修次席検事が説明するとしている。 男性は加賀市内のコンビニで県内の女性の身体を衣服の上から触った疑いで逮捕された。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加