時速60キロで暴走か 歩道など290メートル 足立11人死傷事故

東京都足立区の国道4号で24日、乗用車が複数の歩行者を次々とはねた上、トラックに衝突するなどして11人が死傷した事故で、警視庁が周辺の防犯カメラなどを分析した結果、車は60キロ前後の速度で走行していた可能性があることがわかった。警視庁は、ブレーキを踏まないまま、前方のトラックに衝突し、その後停車したとみており詳しい状況を調べている。 交通捜査課などによると、事故は24日午後0時30分ごろ、足立区梅島付近の国道4号沿いで、約290メートルの範囲の3カ所で発生。車は信号のある横断歩道上で最初に20代女性をはねた。 その後、歩道を約100メートル走行し、死亡した80代の男性を含む歩行者4人をはねた。車道に戻り、さらに約100メートル先でトラックに衝突し、道路脇のガードレールで停車した。少なくとも最後の事故現場付近で、ブレーキを踏んだ形跡はないという。 最初の事故が起きてから停車するまでに約290メートル走行していた。周辺の防犯カメラ映像の分析などから、警視庁は、車が赤信号を無視したり、法定速度(60キロ)を超えていたりした可能性があるとみて捜査する。 ■「盗んだわけではなく試乗するため」 逮捕の男は窃盗容疑を否認 この車は事故約2時間前、直線で約900メートル離れた販売店から盗まれた販売前の中古車だった。警視庁は24日夜、この車を盗んだとして、足立区の職業不詳の男(37)を窃盗容疑で逮捕した。刑事責任能力の有無を含めて調べる必要があるとして、警視庁は男の氏名を明らかにしていない。 この男は過去に2回、客として来店していた。3回目となる今回の来店時は店員と会話はなく趣旨は不明で、男は「盗んだわけではなく試乗するために4号線を走りました」と容疑を否認しているという。警視庁は、この男が車を運転して事故を起こしたとみている。

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