韓国最大のオンライン性犯罪組織のトップに無期懲役判決 被害者260人超

ギャヴィン・バトラー 韓国で、大量の性的虐待の画像などをメッセージアプリのテレグラムで交換できるようにした性犯罪組織の首謀者とされた被告に24日、無期懲役の判決が言い渡された。 判決などによると、キム・ノクワン被告(33)は、「自警団」と呼ばれるピラミッド型の大規模グループのトップだった。 「自警団」は被害者を脅迫して性的に露骨なコンテンツを作らせ、それをオンラインのチャットルームで共有させていた。2020年5月から2025年1月までの間に、被害者は少なくとも261人に上り、韓国で過去最大のオンライン性的搾取関連の事件となった。 被告は「牧師」を自称し、未成年者への性的暴行や、子どもの性的虐待の画像の配布など、組織的な犯罪を実行していた。 判決で有罪とされたのは、犯罪組織の組織化と運営、性的搾取の違法撮影物の制作と配布、違法撮影物の使用の強要、被害者が抵抗できない状態での「準レイプ」または性的暴行の各罪。 判決は被告について、「法廷では深く反省していると述べているが、過去4、5年間で数え切れないほどの罪を犯した」と指摘。 「犯罪の残忍さと被害者への賠償がないことを考慮すると、社会から永久に隔離する必要がある」とした。 ■男女を誘い込んで脅迫 警察によると、被告はソーシャル・ネットワーキングのプラットフォームで、男女両方のターゲットを探した。見つけた人々をテレグラムに誘い込み、脅迫に及んでいたという。 被告は、ディープフェイク画像の作成や配布に興味を示した男性や、性的好奇心が見られた女性に接触しては、個人情報を開示すると言ったり、当局に通報したりすると告げたりして脅していたという。 被害者の一部は、「自警団」のマルチ商法的な活動に誘い込まれた。「伝道師」や「予備伝道師」といった肩書きが与えられ、新たな被害者を組織へと引き入れていたとされる。 被告は、大人と子どもの両方の被害者に、「1時間ごとの日報」の提出と反省文の作成を命じた。怠った被害者には、罰としてヌード写真の撮影や自傷行為を強要したという。 「自警団」の指示によって作られた性的搾取の画像などは2000点を超えたとされる。 被告は未成年の女性10人をレイプしたと、警察は付け加えた。他の男性らとの性交渉を女性らに強要したり、けがを負わせる残忍な行為をする自分を撮影したりもしていたという。 被告は犯罪を実行するため、少なくとも453のテレグラムのチャンネルとチャットルームに参加していたとされた。うち60は被告が個人的に運営していたとされた。 テレグラムは今回の事件で、初めて韓国の警察に協力し、犯罪に絡むデータを提供した。それを受け、捜査が進展し、被告の逮捕につながった。 韓国警察庁は昨年10月、テレグラムとの正式な捜査協力体制を確立した。これにより、テレグラムが関連情報を当局に公式に提供できるようになった。 (英語記事 S Korea's most prolific online sex criminal sentenced to life in prison)

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