特殊詐欺被害の暗号資産、現金化でマネーロンダリング疑い 男と暴力団組員逮捕 広島

特殊詐欺で1億円超の暗号資産をだまし取り、一部を現金化してマネーロンダリング(資金洗浄)したなどとして、広島県警と関東管区警察局の合同捜査本部は25日、東京都町田市、会社役員男(34)と横浜市南区、特定抗争指定暴力団山口組系組員の男(44)の両容疑者を詐欺と組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)などの疑いで逮捕した。 県警によると、2人は「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」のメンバーとみられる。会社役員の男は正規の暗号資産の取引所を介さずに売買する「相対屋」で、組員の男は特殊詐欺グループの中核という。 逮捕容疑は2人は複数人と共謀。2022年10月~23年2月、何者かが架空会社を装い、大阪府堺市の70代女性方に電話するなどし「詐欺に遭った金の半額を返金する」とうそを言って暗号資産の購入を持ちかけ、何者かの暗号資産のアドレスに計32回にわたり1億740万4195円相当を送信させ、詐取した疑い。 また22年11月、この詐欺の収益を含む暗号資産を男のアドレスに送信させ、会社役員の男が組員の男か指示を受けた者に現金約500万円を交付し、犯罪収益を隠匿した疑い。さらに会社役員の男は昨年3~10月に無登録で暗号資産を現金約5430万円に交換する業務を営んだ疑い。捜査本部は2人の認否を明らかにしていない。 広島県警によると23年12月に福山北署が詐欺の被害金回復名目の特殊詐欺の被害届を受理。詐取された暗号資産の追跡を関東警察局サイバー特別捜査部に依頼し、会社役員の男名義のアドレスに移動していたことが判明した。 県警によると、会社役員の男は22年3月~今年3月までの間に約20人から計約280回の依頼を受け、約22億2千万円分の暗号資産の売買をしていた。このうち組員の男の依頼が106回約4億5千万円だった。手数料として1・5~3%を受け取っていたという。

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