香港の高層マンション群で発生した大火災による死亡者が151人に増えた。当局は補修工事の過程で使用された足場の保護ネットの相当数が防炎基準に達しないことが確認されたとし、施工会社の「安全不感症」を強く批判した。 香港警察と消防当局は1日の記者会見で「午後4時基準で公式死亡者は151人と集計された」とし「数十人が依然として行方不明であり、犠牲者はさらに増えるとみられる」と明らかにした。ただ、火災事故であることを考慮すると、一部の行方不明者は遺体が見つからない可能性も高いと説明した。 先月26日、香港新界大浦区の32階建てマンション群の7棟に広がった火災は43時間後に鎮火した。当時、建物の外壁は外部補修工事のために竹製の足場とナイロン系列の可燃性ネットで覆われ、窓もスチロールパネルで覆われていて、火炎が垂直・水平に広がった。 香港特別行政区のエリック・チャン(陳国基)政務長官はこの日、「足場から採取した保護ネットサンプル20件のうち7件が防炎基準を満たしていないことが分かった」と明らかにした。続いて「特に基準に達しない製品が建物周辺の高いところなど接近が難しいところに集中していた」とし「施工会社が監視を避けながら低価格の非規格製品を巧妙に混ぜて使用した状況が確認される」と伝えた。 当局は会社が7月の台風被害以降、一部の保護ネットを防炎機能がない低価格製品に入れ替えたとみて調べている。クリス・タン(鄧炳強)保安局局長も「火が消えた後、接近可能になった区域で追加サンプルを確保し、基準に達しない事実を確認した」と説明した。 香港警察は過失致死などの容疑で施工会社の関係者13人を逮捕し、追加立件の可能性も残している。労働部は昨年から住民が「足場と保護ネットが危険」と繰り返し問題を提起してきたとし、現場点検でも何度か火災安全規定遵守警告をした事実を公開した。今回の惨事で少なくとも数千人が居住地を失い、生存者のための寄付金はこの日基準で約9億香港ドル(約180億円)に達した。マンション付近の追悼場所では市民の弔問が続いている。