「ゾンビたばこ」と呼ばれる違法薬物「エトミデート」をタイから密輸したとして、警視庁薬物銃器対策課は10日、東京都八王子市堀之内2の職業不詳、間中謙二容疑者(59)を医薬品医療機器法違反(輸入)容疑で逮捕したと発表した。押収量は2・1キロ(末端価格2000万円)で、国内では過去最大という。間中容疑者は指定暴力団と密接な関係があるとされ、警視庁は暴力団の資金源になっているとみて調べている。 エトミデートは過剰摂取により幻覚や全身けいれんの症状を起こし、死に至ることもあるとされる。厚生労働省は5月に医療目的外の製造や所持を禁じる指定薬物に追加したが、沖縄で「笑気麻酔」と称されて広まるなど、若者らの乱用が問題となっている。 逮捕容疑は11月24、25日、何者かと共謀し、タイからエトミデートを含む液体2・1キロが入ったボトル4本を段ボール箱に隠して自宅宛てに送り、密輸したとしている。「知人から受け取りを頼まれていたが、脱法のものと分かっていたので、受け取り拒否するつもりだった」と供述しているという。 警視庁によると、11月28日に東京税関の職員が輸入品検査で発見した。ボディーローションを装い、ポンプ付きのボトルに小分けにされていたという。【木下翔太郎】