オレオレ詐欺というと、一昔前は孫をかたって高齢者から金をだまし取るものでしたが、手口は年々複雑かつ巧妙に。なぜだまされてしまうのか。20代の被害者がその詳細を語りました。 オレオレ詐欺などの特殊詐欺。若者にとっては。 (20代) Q.警察をかたる詐欺があることは知っている? 「聞いたことはある」 「全然聞いたことない」 (20代) 「自分が引っかかるイメージはあまりない。やっぱりおばあちゃんなどが引っかかる可能性があるかもしれない」 ところがいま、こうした若者こそが特殊詐欺のターゲットになっているのです。 ■「真面目に頑張って、稼いだお金が…」 最近主流になりつつある警察官をかたって金をだまし取る手口では、被害者の実に4割以上が20代と30代です。 被害にあった当事者が取材に応じました。 (被害に遭った男性・20代) 「真面目に頑張って、稼いだお金を取られたと思うと悔しい」 悔しさをにじませる男性は、名古屋市に住む20代。 ことし6月、国際電話を示す「+」で始まる番号から着信があり、警察官を名乗る人物に「詐欺事件に関与している」と言われました。なぜ本物の警察と信じたのでしょうか。 ■「早く身の潔白を証明したかった」 (被害に遭った男性・20代) 「住所と名前を相手(犯人側)が詳しく知っていて、そのときに『本物だ』と思ってしまった」 その後、LINEでのやり取りが始まり、偽の逮捕状や資産が凍結されるかのような書面を示されます。そして「後で返金するが、身の潔白を証明するために金が必要」と要求されたといいます。 (被害に遭った男性・20代) 「自分的には早く身の潔白を証明したかったという部分があったので、振り込むまでは疑わなかった」 ■警察官を名乗ったLINEでのやり取りは「詐欺」疑って 約80万円を振り込んでしまった男性。直後に相手と連絡が取れなくなり詐欺と気づきました。 (被害に遭った男性・20代) 「おじいさんおばあさんが引っかかるような詐欺という固定観念を払って、若い人たちにも生活してほしい。自分の個人が特定されて不安になったとしても、周りの人に相談して被害を食い止めてほしい」