トルコサッカー界に激震が走ったのは10月末。計152人もの審判が積極的に賭博に関与した疑いがある──トルコサッカー連盟(TFF)がこの衝撃的な告発を公表したのだ。 あれから2か月弱、賭博スキャンダルをめぐる騒動は沈静化するどころか、ますます熱を帯びているようだ。現地26日、ドイツ紙『ビルト』が報じた。トルコの複数メディアの一致した報道として、同紙はこう説明する。 「トルコサッカー界における賭博スキャンダルに関連して、ガラタサライの元副会長であるエルデン・ティムール氏(44)を含む29名に対して逮捕状が発付された。11州で一斉に捜査が実施され、これまでに24名が拘束されている。ティムール氏のほかに、現役のサッカー選手14名も含まれています。うち1名は別の罪状ですでに収監されていて、4名については現在も行方を追っている」 ティムール氏の容疑は不審な金融取引で、複数の法律に抵触した疑いがある。イスタンブール地方検察庁がティムール氏の銀行口座を調査した際、確認されたという。また、14名のサッカー選手については試合の結果に対して賭けを行っていたとされている。 現時点で、「クラブと選手に対する調査が進行中で、149人の審判と1000人以上の選手が調査終了まで資格停止処分を受けている」。多くのファンにとって、とくに看過できないのはトルコを代表する名門、強豪クラブの選手も調査対象になっていること。ビルトが伝える。 「トルコのトップリーグであるスュペル・リグの選手27人も対象で、その中にはガラタサライ、フェネルバフチェ、ベシクタシュ、トラブゾンスポルといったトップクラブのプロ選手も含まれている」 また、他のクラブ幹部にも疑いがかかっていて、この事件への関与が疑われる現役審判員は570人以上に及ぶという。 いずれも事実なら、まさに前代未聞のスキャンダル。26年3月に北中米ワールドカップの欧州予選プレーオフを控えるトルコ代表への影響も避けがたい。 構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部