【足立区14人ひき逃げ】「クスリでもやってんのか!」近所の人を激怒させた容疑者の“異常行動”

「パトカーから逃げ、人をはねるまで3つの交差点を通過し、信号はすべて青だった。冷静に運転はできていた」 2人が死亡、12人が重軽傷を負った事件で逮捕された男は、人をはねたことを認める一方で、こう供述したという。 「警視庁交通捜査課は1月5日、杉本研二さん(81)をはねて殺害したほか、5人をはねて殺害しようとしたうえ逃走したとして、横尾優祐容疑者(37)を殺人と殺人未遂、道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで再逮捕しました。 横尾容疑者は、これまでの取り調べで『はねる前に歩行者の男性が見え、時速60kmで突っ込めば亡くなるかもしれないことは、わかっていた』と供述していることから、いわゆる未必の故意が成立すると判断し、殺人での立件に踏み切ったということです」(全国紙社会部記者) 横尾容疑者が逮捕されたのはこれで3回目。初めて殺人と殺人未遂の容疑となった。これまでは事故当日の11月24日には販売店から自動車を盗んだ窃盗の容疑で逮捕。12月15日には、横断歩道を渡っていたフィリピン国籍の女性会社員、テスタド・グラディス・グレイス・ロタキオさん(28)をはね、救護や警察への報告をせずに逃走して死亡させたとして、自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死)と道路交通法違反(ひき逃げ)で2回目の逮捕をされている。 痛ましい事件が起きたのは、11月24日午後0時半ごろのことだった。 その日の午前10時20分、横尾容疑者がこれまで何度も訪れていた足立区内の自動車販売店に来店すると、以前から気になっていたトヨタのクラウンが奥の駐車場に止まっていたという。販売前の車で施錠されておらず、運転席のポケットにはスマートキーがあり、エンジンボタンを押すとエンジンがかかる状態だった。 「試乗したいが購入するつもりはなく、店員に言い出せなかった」という横尾容疑者は店を訪れてから約2分後、クラウンに乗車、発進させたのだ。「水がきれいな山のほうへ行きたい」と埼玉県草加市などを、約2時間、走り続けたという。 ◆被害者をはねる前に加速していた そして午後0時半ごろ、盗難の通報を受けて捜査をしていた西新井署のパトカーがクラウンを発見。停止を求めたところ、横尾容疑者は応じるどころか、暴走を始めたのだ。 前出の社会部記者が説明する。 「暴走を始めて約1分後に一つ目の事故が起きました。横尾容疑者は、十数人の歩行者が渡り始めていた横断歩道に突っ込み、テスタドさんをはねたのです。テスタドさんは、はねられた衝撃で約15m離れた前方の車にぶつかりました。容疑者の車は、はねる直前に加速していたということです。 車はその後、車道から歩道に進入。何人もの人をはねながら、道路わきのガードレールに突っ込んで停車したのです。杉本さんはこのとき20mほどはね飛ばされ、死因は頭部に強い衝撃が加わったことによる脳損傷でした。ほかにも3人が骨盤や両足を骨折するなどの重傷を負ったということです。そして横尾容疑者はクラウンを乗り捨て、逃走しました。 横尾容疑者は『パトカーから逃げているときに人をはねた』『捕まりたくなかったので逃げた』と供述しているということです」 事件直後に逮捕した際、警視庁は『刑事責任が問えるか慎重に判断する必要がある』と横尾容疑者の氏名を公表しなかった。しかし、取り調べ時の警察官との会話が支障なく成立していることなどから、12月15日以降、実名での発表に切り替えている。 横尾容疑者は足立区内の最寄り駅から徒歩30分ほどの閑静な住宅街、車1台がやっと入れるほどの袋小路のいちばん奥に位置する一戸建てで両親と生活していた。 事件直後には、横尾容疑者の母親が報道陣の取材に応じ、「数年前から統合失調症を患っていた」「車の免許は持っていたが、事故を起こしたことはないはずだ」と明かし、被害者への謝罪の言葉を述べていた。 近所に住む男性は事件直後の様子をこのように話してくれた。 「事故のことはすぐにニュースで知りました。そうしたら、もう午後2時ごろにはこの道(袋小路)にパトカーや覆面パトカーが来て、刑事さんも20人くらいいたんです。どうも犯人が家に立てこもっているということでした」 その男性が刑事と話しているところに、ちょうど横尾容疑者の母親が歩いてきたという。そのとき、母親から信じられないような言葉を聞いたのだと、その男性が続けた。 「ちょうど、(横尾容疑者の母親が)近所の人と話していたんですが、『息子がねえ、事故起こしちゃったのよ』って言ってたんです。こっちはニュースを見て、大変なことが起きたと知ってるわけですよ。『事故起こしちゃったのよ』ってそんな軽いことじゃないぞって驚きました」 近所に住む70代の男性は、「この一画の10軒ほどは30年くらい前、同じ時期に越してきたんです。ただ、あそこの家(横尾容疑者の自宅)はほとんど近所付き合いをしてませんでした」と話し、こう振り返った。 「あそこの家の息子(横尾容疑者)は、この辺で時々トラブルを起こしていたんです。私が見たときは、近所の家に止めてある車に自宅のホースで水をかけていました。それで車の持ち主が怒って、(横尾容疑者の家に)『お前んとこの息子は、なんかクスリでもやってんのか』って乗り込んだんですよ。そうしたら、母親から『精神科に通ってる』と説明されたということです」 12月15日以降、実名発表に切り替わったことについて、横尾容疑者の親族はどう思っているのだろうか。自宅のインターフォンを何度か鳴らしたが、部屋の電気は点いているものの、誰も出ることはなかった。 東京地検は、事件当時の責任能力を調べるため、今月19日から横尾容疑者を鑑定留置する方針だという。 事件から1ヵ月以上がたったが、事件現場には、いまでも花や飲み物が手向けられていた。 ※「FRIDAYデジタル」では、皆様からの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまたは公式Xまで情報をお寄せ下さい。 情報提供フォーム:https://friday.kodansha.co.jp/tips 公式X:https://x.com/FRIDAY_twit 取材・文・写真:中平良

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