大阪市の不動産の所有者になりすまし、嘘の登記申請を行ったなどとして、司法書士の男ら二人が逮捕された事件。二人は他人の不動産の所有権を乗っ取る「地面師詐欺グループ」とみられ、警察は全容解明を進めている。 報道各社によると、逮捕されたのは大阪市の司法書士・松本稜平容疑者(34)と、三重県の会社員・小鹿瑞樹容疑者(33)。二人は共謀して昨年1月、80代男性が所有する大阪市・北区の建物について、男性のなりすまし役を立て、所有権を小鹿容疑者に移転させる登記申請を行った疑いがあるという。 元の所有者の男性は昨年3月に不正登記を把握し、移転登記の抹消を求めて民事訴訟を大阪地裁に起こし、6月の判決で認められていた。一部では、松本容疑者らが建物の売買取引を不動産会社に持ちかけていたことも報じられている。 司法書士は、登記などの手続きの代理を業務として行うことを認められている。法律のプロフェッショナルとして国民の権利を保護する重要な責任を負うはずの松本容疑者だが、実は昨年、“ある問題”を起こしたことで処分を受けていたのだ。 「松本容疑者は’19年に試験に合格し、翌年に司法書士として登録。以降は大阪市中央区を拠点に活動していたようですが、昨年8月に法務大臣から4カ月の業務停止の懲戒処分を受けています。公表されている資料によると、松本容疑者は’22年5月、相続登記の依頼を受けながら、正当な理由もなく業務を放置。 結局、依頼人は別の司法書士に業務を依頼し、’23年5月に相続登記が無事に完了。松本容疑者との契約は’23年5月に解除となり、同時に依頼人は前払報酬として支払っていた13万1400円の返還を松本容疑者に求めるも、松本容疑者は’25年4月の時点で返還せず……。一連の行為が司法書士法、大阪司法書士会の会則にも違反したことで処分を受けました」(社会部記者) 今回の報道をめぐって、Xでは松本容疑者が昨年に懲戒処分を受けていたことが再び注目され、一部ではこんな声が上がっている。 《地面師やってた司法書士、ちょっと前の月報司法書士の懲戒のページに載ってましたよね?事件を放置してそんなに多額でもない預り金すら返してないという状況だったから、前から金に困ってたんですかね》 《令和7年の業務停止4か月の懲戒処分の内容読むと、あーそうなのか、と思いましたよ》 《過去にもやらかしてるのね》 なお、司法書士試験は例年合格率4〜5パーセントで推移しており、合格には3000時間の勉強が必要とも言われている。そんな超難関資格を突破したにもかかわらず、なぜ今回のような不正に手を染めてしまったのか。 「松本容疑者は’23年7月、自身のものとみられるXで、リモート勤務が可能な司法書士の求人を探していると投稿していました。開業6年目に入り自身の事務所の売り上げが下がっていたようですが、持病があり他の事務所に勤務することは難しかったそうです。この投稿から1年半あまりが経過した’25年1月、今回報じられている“地面師事件”が起きるわけですが、松本容疑者も金銭的に厳しい状況だったのかもしれません。Xの更新も’23年8月以降ぴたりと止まっています」(前出・社会部記者)