東大は28日、医学部付属病院(東京都文京区)の医師らが汚職事件で相次いで逮捕されたことなどを受けて記者会見を開き、藤井輝夫総長が「社会の信頼を著しく損ねることになり、心からおわび申し上げる」と謝罪した。不祥事の背景に教職員の希薄な倫理意識やチェック機能の不全、縦割りの組織風土があったとして、リスク管理の最高責任者を置くことなどを明らかにした。 東大を巡っては、警視庁が昨年11月、医療機器メーカーから賄賂を受け取ったとして収賄容疑で東大病院医師の医学部准教授を逮捕。准教授は起訴された。 今月24日には、東大大学院の共同研究を巡り便宜を図った見返りに、一般社団法人の代表理事から計約180万円相当の接待を受けたとして、収賄容疑で大学院元教授の佐藤伸一容疑者(62)を逮捕。接待に同席したとされる元特任准教授の男(46)も、26日に同容疑で書類送検した。事件を受け、東大病院の田中栄病院長は27日、引責辞任していた。 藤井総長は記者会見で、違法な接待を受けたとされる佐藤容疑者について「弁明の余地がない」と断じ、懲戒解雇処分としたと説明。また、東大は28日、全学の教職員約1万3千人に対する調査で、倫理規程に反する事案が22件あり、3件で高額接待が認められたと明らかにした。懲戒処分を検討している。 東大は、政府が10兆円規模で設立した大学ファンドの支援対象となる「国際卓越研究大学」への認定を申請していたが、国の有識者会議は昨年12月、相次ぐ不祥事を受け、認定候補とすべきかを再検討するため、審査を継続すると判断。有識者会議は「ガバナンスに関わる新たな不祥事が生じた場合、審査を打ち切る」としており、今回の影響は避けられないとみられる。 会見で、申請の取り下げについて、藤井総長は「特別なことは考えていない」とした。