乾燥大麻を所持したとして、音楽ユニット「Def Tech(デフテック)」として活動する西宮佑騎容疑者(45)が2日、麻薬取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕された。ひそかに捜査を進めたのは、厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部だった。同部は認否を明らかにしていない。 著名人が絡む薬物事件のたびに注目される「マトリ」とは、どんな組織で何をしているのか。 「情報のアンテナを広く深く静かに張り巡らせ、密売人や乱用者を検挙」。麻薬取締部は、ウェブサイトで、自らの役割をこう説明する。 厚生労働省などによると、捜査、調査総務、鑑定部門に分かれ、覚醒剤や大麻などの違法薬物に絡む捜査のほか、医薬品の流通を監視したり、薬物乱用を防ぐ啓発活動をしたりしている。 このうち、捜査を担当するのが麻薬取締官だ。国家公務員の採用試験に合格したり薬剤師の免許を受けたりすると採用される。 全国に約300人いて、関東信越や北海道、近畿、九州などの地方厚生局などに所属。刑事訴訟法に基づき、警察官と同じように逮捕権を持っている。 ■SNSでは実名を伏せ、顔出しせず 拳銃を持つことも 過去には、違法薬物に絡み、有名ミュージシャンや元アイドル、キャリア官僚らを捜査してきた。 尾行や内偵時の容疑者の撮影の技術が求められ、逮捕術の訓練を受けるという。必要と認められた場合には、拳銃を携帯することもある。 捜査情報だけでなく、自分自身の情報の保秘徹底も求められている。ある取締官は、実名でSNSアカウントは持たず、ネット上の「顔出し」はしない、などと厚労省のサイトで説明している。 また、警察や税関、海上保安庁などと協力して、海外から密輸される違法薬物を押収したり「泳がせ捜査」で指示役を逮捕したりすることもある。 近年では、大麻の有害成分と似た成分を含むとみられる「大麻グミ」による健康被害が相次いだことから、全国各地の関係先に立ち入り検査をして、流通の拡大を防いだ。(西岡矩毅)