(CNN) 米NBCテレビの番組「トゥデー」の司会者、サバンナ・ガスリーさんの母親ナンシーさん(84)の行方を追う捜索は5日目に入った。当局者によると、捜査はさまざまな課題にぶつかっている。 米税関・国境警備局(CBP)の報道官はCNNの取材に、アリゾナ州トゥーソン一帯を担当する国境警備隊のチームが5日、捜索に加わったことを確認した。CBPは現在、連邦捜査局(FBI)と共同で捜査に当たるピマ郡保安官事務所と連携している。 捜索には膨大な資源が投入されているものの、地形の難しさや証拠の乏しさに加え、重要参考人が特定されていないこと、身代金要求をめぐる不透明さが残ることが相まって、事件の詳細を解明する妨げになっていると、当局者は話す。 ピマ郡の保安官は5日、CNNに対し、ガスリーさんが行方不明になった地域は「トゥーソン一帯でも特に郊外色が濃いひなびた地域で、植生が極めて密集した町の山側に位置する」と説明。周辺には「照明があまりない」とも付け加えた。捜査官は引き続き近隣住民への聞き込みや、道路や交差点に設置された監視カメラの映像の確認を進めているが、地形に阻まれ難航しているという。 このほかの障害としては、証拠の乏しさが挙げられる。保安官によると、捜査官が容疑者のDNAの「最も有力な候補」とみたDNAからは最低限の分析結果しか得られず、ポーチで見つかった血痕は「ナンシーさんのものと判明した」という。現場検証や鑑定作業については、「テレビドラマなら1時間で終わるが、これは現実世界だ。やや時間がかかる。大きな突破口が開けることを期待している。できれば早いうちに」と語った。 不透明さに拍車をかけているのが、身代金要求だ。当局によると、身代金を要求する文書が複数のメディアに送られたものの、ナンシーさんの生存を示す証拠や差出人からの追加連絡はなく、捜査当局も家族もはっきりとした手がかりを得られない状況だという。文書には2回の期限が示され、1回目は5日午後5時、2回目は9日とされている。 FBIの特別捜査官は5日の記者会見で、AI(人工知能)の進歩で本物にみせかけた動画を作成できる可能性を踏まえ、生存の証拠となり得る情報の検証を進めていると語った。「偽の身代金要求」に関連して1人が逮捕されたことも明らかにした。 FBIはバージニア州クアンティコから派遣された要員も含め、危機交渉班が投入されていることを明らかにしたものの、詳しい役割には触れていない。