人を襲った紀州犬1頭に警官が13発も発砲…「銃器の扱い方がヘタすぎる」という日本の警察の大問題

日本の街の安全を守るのが警察の役割だ。軍事アナリストの小川和久さんは「日本の警察は銃器に関する知見が乏しく、射撃訓練もお粗末と言える。それを象徴するのが、2015年に千葉県松戸市で起きた紀州犬への発砲事件だ」という――。 ※本稿は、小川和久『総理、国防も安全も穴だらけ! 国民を守れない国・ニッポン』(扶桑社)の一部を再編集したものです。 ■バスジャック事件で露呈した警察の弱点 特殊部隊SATの隊員など一部を除き、日本警察は銃器についての知識にも欠けている。それを象徴していたのは、2000年5月3日に発生したバスジャック事件だ。 佐賀市から福岡市の西鉄天神バスセンターに向かう高速バスが5月3日午後1時半ごろ、九州自動車道太宰府インターチェンジ付近で刃物を持った若い男に乗っ取られた事件である。 バスが山口県の山陽自動車道に入るまでに、犯人は乗客3人に切りつけ、68歳の女性1人を死亡させた。バスは午後10時すぎに広島県小谷サービスエリアで停車し、犯人はバス内に立てこもり、翌4日早朝に警察部隊が突入し、人質は解放され、犯人も逮捕された。犯人は17歳の少年で、中学でいじめを受けた後、家庭内暴力を起こし、精神科に入院したこともあったと報じられた。 当時のマスコミは警察の「暁(あかつき)の突入」を英雄的行為のように報じ、「あの状況では最善の決断」と自己満足する警察OBらのコメントをタレ流した。しかし、この事件でほめられてよいのは、突入して犯人を逮捕した警察官だけなのだ。警察のオペレーションとしては、国際水準からほど遠い不合格な答案と言わざるを得なかった。 ■「容疑者の無力化」を真っ先に考えるべき この事件では、午後3時半すぎに山口県の小郡インター付近で人質女性1人がバスから飛び降りて脱出している。高速バスから飛び降りるのは当然、命がけの行動だから、人質の1人があえてそうした以上、バス内の状況はきわめて悪く、人質の命が危険にさらされていると思わなければならない。警察は無力化(射殺)という選択肢を第一に考えなければウソだ。 高速道路上にパトカーなどを並べてバリケードを作れば、停車したバスから物陰に隠れて犯人を狙う特殊部隊SATの狙撃手までの距離は、どんなに離れていても100メートル以内、普通は50メートル以内だろう。この距離であれば、狙撃手は狙った場所を正確に狙撃することができる。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加