【02月24日 KOREA WAVE】ソウル市江北区のモーテルで起きた連続死亡事件の容疑者について、警察が身元を公開しない方針を固めたとされる中、インターネット上ではすでに個人情報が拡散する動きが広がっている。専門家は、私的制裁は処罰対象となり得ると警告する一方、身元公開の是非については慎重な検討が必要だと指摘している。 警察は殺人や特定傷害、麻薬類管理法違反(向精神薬)などの疑いで逮捕された容疑者の女(20代)について、身元を公開せずに事件を処理する方向で内部判断を下したという。 現段階では、犯行手段の残虐性などの要件を満たしていると断定するのは難しく、身元情報公開審議委員会の開催対象には当たらないとの見解が伝えられている。 しかし、公式な公開がないにもかかわらず、容疑者の氏名や写真、SNSアカウントなどが複数のオンラインコミュニティで急速に広がっている。事実上、身元がさらされている状況だ。 東国大学警察行政学科のイ・ユンホ教授は「私的制裁は許されない行為であり、当然ながら処罰対象となり得る」と警告した。 一方で、こうした現象の背景にも言及した。イ・ユンホ教授は「警察の身元非公開決定が、かえって私的制裁をあおる可能性がある。公的制裁が十分に機能していないと感じるとき、人々は処罰リスクを承知で加害者の情報を拡散する」と分析した。 さらに「重大犯罪であると受け止められている以上、警察も世論を踏まえ、身元公開の可否を再検討する必要がある」と述べた。 建国大学警察学科のイ・ウンヒョク教授も、いわゆる“身元さらし”や誹謗中傷、性的侮辱行為は処罰対象になると強調した。そのうえで「重大犯罪者については、制度趣旨に沿って身元公開を検討する余地がある」との見方を示した。 これに対し、高麗大学法科大学院のチャ・ジナ教授は、容疑者の人権侵害の懸念を挙げ、慎重論を唱える。「警察が公開しないと判断したなら、私的にも公開されるべきではない。容疑者にも名誉権や肖像権、プライバシー、個人情報自己決定権などの人格権がある」と述べた。 また「個人情報を違法に取得し、オンラインで流布した場合、事実かどうかに関係なく名誉毀損などで処罰される可能性がある」と警告した。 別の刑法専門学者も「すでに逮捕・拘束されている容疑者の顔や身元を国民が必ず知る必要があるのかは疑問だ」と指摘する。「身元公開は逃走中や追加犯行の恐れがある場合などに、公益のため限定的に実施すべきだ。無罪推定の原則を踏まえれば、公開は事実上の制裁に近い効果を持ちかねない」と強調した。 警察は容疑者に対するプロファイラーの面談を終えており、分析結果が出次第、検察に送致する。被害者3人以外にも追加被害者がいるかどうか、引き続き捜査を進める方針としている。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News