オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は23日、イギリスのキア・スターマー首相に対し、英王室のアンドリュー・マウントバッテン=ウィンザー元王子を王位継承順位から外す計画を支持すると伝えた。 チャールズ国王の弟であるアンドリュー元王子は長年、アメリカで性犯罪で有罪とされた富豪ジェフリー・エプスティーン元被告(故人)との関係を取りざたされてきた。昨年10月にはこれに関連し、「王子」を含む称号や爵位を剥奪されたものの、今もなお王位継承順位は8位。国王の長男ウィリアム皇太子とその子供3人、国王の次男サセックス公爵ハリー王子とその子供2人に続いて、王位継承権がある。 しかし、今月19日に元王子が公務中の不正行為の疑いで逮捕されたことを受け、イギリス政府は元王子を継承順位から外すための法案を提出することを検討している。 アルバニージー首相はスターマー氏宛ての書簡で、「アンドリュー・マウントバッテン=ウィンザー氏をめぐる最近の事案を踏まえ、この書簡をもって、同氏を王位継承順位から外すいかなる提案にも、私の政権が同意することを表明する」と書いた。 「法が全面的に適用され、全面的かつ公正で適切な手続きによる捜査が必要だという国王陛下の意見に、私も賛成している」 「一連の疑惑は重大なもので、オーストラリア国民は深刻に受け止めている」 チャールズ国王は元王子逮捕後の声明で、「今後は、全面的かつ公正で適切な手続きによる捜査が、適切な当局によって行われなくてはならない」と述べていた。 英首相官邸の報道官は、アルバニージー氏の書簡を受け取ったことを認め、英政府は「アンドリュー・マウントバッテン=ウィンザー氏に関して、追加の措置が必要かどうかを検討している」と述べた。 「警察の捜査が続いているため、現段階で政府がこれ以上コメントするのは適切ではない」と、報道官は付け加えた。 首相官邸のダレン・ジョーンズ首席秘書官は23日、下院に対し、政府は「現段階で継承順位に関する措置を排除していない」と述べた。 王位継承順位の変更には、議会が法律を制定する必要がある。下院と上院の可決を経て、国王からの裁可を受けて法律として発効することになる。 この法律にはイギリス議会に加え、チャールズ3世が元首を務める英連邦の14カ国(カナダ、オーストラリア、ジャマイカ、ニュージーランドなど)の承認も必要となる。 立法で王位継承順位から誰かが外されたのは1936年が最後で、エドワード8世の退位に伴い、本人と子孫が継承順位から外された。 国王夫妻の公務を管理するバッキンガム宮殿は、アンドリュー元王子を継承順位から外す法案を政府が検討している件について、公にコメントしていない。 アンドリュー元王子は19日午前8時ごろ、ノーフォークにある王邸サンドリンガムの敷地内で逮捕された。2010年と2011年に、イギリスの貿易特使として公式業務で得た機密情報をエプスティーン元被告に意図的に共有した疑いがもたれている。 元王子は逮捕されてから11時間後に釈放されたが、捜査は継続している。 警察は19日夜にサンドリンガムでの捜索を終えた一方、元王子が2月初めまで住んでいたウィンザー城の30室の豪邸「ロイヤル・ロッジ」の捜索は、週末にかけて行われたとみられている。21日には、複数の警察の覆面車両が停まっているのが目撃された。 元王子は一貫して、エプスティーン元被告に関連する不正行為を全面的に否定している。 今年1月に米司法省が追加公開したエプスティーン元被告に関する膨大な資料から生じたいくつかの疑惑について、元王子はBBCのコメント要請に応じていない。 (英語記事 Australia backs removing Andrew from royal line of succession)