寺尾聰“田次”は正義か悪か、松嶋菜々子“正子”が狙う「大バカ者」の怪しさ<おコメの女>

松嶋菜々子が主演を務めるドラマ「おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-」(毎週木曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系/TVerにて配信)の第8話が2月26日に放送された。人気芸人のサプライズ出演も話題になった、正子(松嶋)がつくったザッコク解散の危機。それでも覚悟を持って正子は、大物政治一家である鷹羽家の裏金を調べ始めた。(以下、ネタバレを含みます) ■松嶋菜々子演じる敏腕調査官が悪徳脱税者を成敗 同作は、テレビ朝日系列の連続ドラマ初主演となる松嶋が、“決して脱税を許さない”東京国税局の敏腕調査官・米田正子(よねだせいこ)を演じる社会派・痛快エンターテイメントドラマ。 東京国税局・資料調査課職員の圧倒的な情報収集能力と調査スキルは“マルサ”(国税局査察部)をしのぐと言われ、1人あたりが見つける隠し所得は年間数億円にものぼるという。脱税者を震え上がらせる、税務調査最後の砦(とりで)となるこの部署は、“料”の米偏を取って“コメ”と呼ばれている。そんなコメの中に新設されたドラマオリジナルの部署・複雑国税事案処理室、通称・ザッコクが今作の舞台となる。 正子が招集したザッコクのメンバーとして、東大卒の財務省のキャリアで数字のスペシャリスト・笹野耕一役で佐野勇斗、人心掌握術の天才でワークライフバランス重視の俵優香役で長濱ねる、強運だけが取り柄の古町豊作役で高橋克実、正子の元上司で和菓子好きの飯島作久子役で大地真央が出演。 ほか、経済産業大臣・鷹羽宗一郎役を千葉雄大、宗一郎の議員秘書から議員へと転身を図った鷹羽直哉役を勝村政信、ザッコクを毛嫌いする上長・麦谷実役を戸次重幸、正子の父・田次役を寺尾聰と、個性豊かなキャスト陣がそろう。 ■ザッコクの解体が告げられる中、正子は最後まで鷹羽家の裏金に迫る覚悟で挑む 選挙期間中の鷹羽直哉を訪問したことや、鷹羽家への執拗な調査など、政治案件への介入が政界の大物たちの逆鱗に触れ、正子は麦谷から部署の解体を告げられる。 「その連中こそが、本当の大バカ者です。借金1342兆円、生まれた瞬間に1000万以上の借金を背負う異常な国。どれだけ正しく税金を集めても、その使い道はいつも不透明で妥当性はゼロ。まるで正しくない!」と正子。だが、麦谷は「我々の職務外のことだ」と諭す。 解体まで1カ月。正子は、ザッコクメンバーと最後まで徹底的に鷹羽家の隠し財産を探ろうとする。まっとうに生きることを誓った宗一郎が、新潟にある実家の蔵に埋蔵金=裏金があるらしいと聞き、新潟に向かうことを決める。 そんなとき、笹野に内示が出て、財務省に戻ることに。正子は、他のメンバーたちにも「これより先は皆さんの生き方で判断を」と、今後の身の振り方が決まったら出勤するように告げる。 1人で調査を進める正子は、宗一郎とともに新潟に向かったが、蔵には埋蔵金らしきものは何もなかった。 ■正子たちは裏金の本当の隠し場所を見つける 一方、直哉の秘書になった田次も、直哉に隠し財産のことを明かしていた。かつて宗一郎の父・錦之助(小野武彦)の秘書をしていた田次。「錦之助先生はよく嘆いていた。強い後継者が欲しい。もっと能力の高い人間に継承したいと」と語り、後継者が使える隠し財産が「蔵」にあると明かす。 その「蔵」とは、新潟の金融機関「さとやま信用組合」だった。理事長の佐古田蔵之介(井上順)に、眠らせたままだった金を直哉が引き継ぐと告げた。錦之助の時代にはまだ裏金作りに試行錯誤していて、それにより疑いの目が向くことになり、田次がすべての罪を背負って逮捕されたのだった。直哉は、持ち出した裏金を大物政治家への賄賂として使い、議員1年生ながら政界での立ち位置を固めていく。 そんな中、正子のもとに亡き母名義のさとやま信用組合の口座解約通知書が届く。母が亡くなった30年以上前に解約はしていたはずで、疑問に思って問い合わせる。すると、応対した女性行員の受け答えから「ヌカ(※脱税のこと)のにおいがする」と感じ取った。 そして、心強い協力を得ることに。妻・麻子(いとうあさこ)に背中を押された古町に加え、作久子と優香もザッコクに戻ってきたのだ。さらに、ここにきて正子と同期と判明した麦谷も、正子を応援することを明かした。 ザッコクメンバーは、新潟へ調査に向かう。そこに笹野も現れる。実は、笹野は財務省に戻り、密かに探っていた。直哉の当選後、ほぼ同時期に1000万円が引き出された口座の名義人を調べると、驚くことに全員亡くなっていて、遺族によって解約済みのはずだった。 他人の名義で開設された「借名口座」といわれるもので、鷹羽家の裏金はプールされていたのだ。 ■視聴者「どっちの味方?」との声が上がる寺尾聰の絶妙な演技 ザッコクメンバーの再集結がアツかったのに対し、直哉は冷酷に変貌した。直哉は裏金を使える立場になり、実質の乗っ取りが完了したことで、田次にも、錦之助の長女である妻・澄子(凰稀かなめ)にも打って変わって尊大な態度をとった。 演じる勝村のさすがの演技で、その憎々しさが際立ったが、それ以上に怪しさを醸し出したのが寺尾聰だ。 鷹羽家の乗っ取りを直哉に持ち掛けたという田次。錦之助の秘書を辞めてから、家庭菜園で野菜を作り、慎ましく暮らしていたが、なぜ今動き始めたのか。娘の正子は、錦之助の不祥事に迫ろうとして、上層部からの圧により志半ばであきらめざるをえなかったことに関係しているのか。田次の妻名義の口座解約通知が、夫である田次のところではなく、正子のもとに届いたというのも少し不自然にも思える。それを田次が仕組んだことだとしたら…。 正子が「鷹羽直哉とさとやまを結び付けた大バカ者がいる」とにらんでいる、その人が父・田次だ。視聴者からは「正子パパはどっちの味方!?」「米田パパ何考えてるの」「正子さんパパがドカンと爆弾落としそうでワクワク」という声が上がった。次回、3月5日(木)の放送が最終回で、対峙の行方を見届けたい。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部

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