小学館は2日、漫画配信アプリ「マンガワン」で、性加害で逮捕歴のある漫画家が別名義で新連載をスタートさせていた問題で、社内調査を進めた結果、新たな原作者起用問題が発覚したと発表した。20年に強制わいせつ容疑で逮捕された「アクタージュ act-age」(集英社、連載打ち切り)の原作者・マツキタツヤ氏を別名義で『星霜の心理士』の原作に起用していた。一連の問題を受け、小学館は第三者委員会を設置する方針を固めた。 小学館は「社内調査を進める中で「マンガワン編集部において、新たに『星霜の心理士』についても原作者起用のプロセスと確認体制について調査が必要であることが判明いたしました」と発表。 続けて「つきましては、『堕天作戦』連載中止の際の事実関係、『常人仮面』の連載開始の事実関係、担当編集者が原作者と被害に遭われた方との和解協議に加わっていた経緯を把握するとともに、マンガワン編集部における作家・原作者起用のプロセスおよび編集部の人権意識を確認し、問題点を検証、原因を究明し、再発防止に向けた提言を得るために第三者委員会を設置する方針を決定いたしました」とし、第三者委員会の設置することを伝えた。 また、マンガワン編集部名義で「「週刊少年ジャンプ」にて連載されていた『アクタージュ act-age』の原作を執筆していたマツキタツヤ氏が、八ツ波樹という別のペンネームでマンガワンにおいて『星霜の心理士』の原作を執筆している件についてご説明いたします」と発表。マツキタツヤ氏が20年に強制わいせつの疑いで逮捕されたという事実を把握していながらも、新連載の原作者として別名義で起用する判断をしたことを明らかにした。 一連の経緯について、同編集部は「起用に当たっては、判決の確定及び執行猶予期間の満了を確認し、事件に対する反省の姿勢や再発防止への取り組み、専門家による社会復帰支援状況について確認を行い、編集部内で検討しました」と説明。 しかしながら「ペンネーム変更は、八ツ波樹氏及び編集部の判断に基づくものであり、被害に遭われた方々のためという意識が一貫してありました。しかし公表せざるを得なくなった現在、この方法が本当に「被害者配慮」になっていたのか、被害に遭われた方々をより傷つけてしまうのではないかという点については、マンガワン編集部は更に熟慮すべきであったと考えております」とし、「今回の発表により過去の事件を掘り起こされ、被害に遭われた方々のお心を傷つけかねない状況が生じていることについては、マンガワン編集部は強い責任を感じており、心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。 「星霜の心理士」については、更新を一時停止するとし、「停止に伴う八ツ波樹氏、雪平薫氏の損害については誠意を持って対応いたします」と伝えた。