元警察官が漫画を出版、テーマは「福祉業界の問題点」

京都府警の元警察官で、障害者らの就労支援に取り組むNPO法人理事長の松浦一樹さん(57)=京都市南区=が、自らの経験を基に原作を手がけ、虐待など福祉業界の問題点や日常的に起きるトラブルをまとめた漫画を出版した。2009年に出版した漫画の第2弾で、「就労支援は誰のために、何のためにあるのか」を問い直している。 タイトルは「夢を追いかけろ!2-元刑事が福祉をつくる!【就労支援編】」。福祉に対する思いなどをつづった1作目を出版した後、給付金の不正受給など福祉を巡る問題が相次いでいたことを受けて2年前から準備を進めてきた。作画は漫画家のしいやみつのりさんが引き続き担当した。 松浦さんは少年担当の刑事時代に、知的障害のある男性を逮捕した事件の事情聴取で作業所を訪れたのをきっかけとして福祉に関心を持った。1999年に府警を退職し、福祉の世界に入った。 2015年にNPO法人「ENDEAVOR EVOLUTION」を立ち上げ、伏見区で就労継続支援A型事業所を運営している。現在は20〜50代の知的障害や精神障害がある男女18人が利用している。利用者の賃金は2024年度で平均月17万8千円に上り、一般的な施設よりも高額だという。開設からこれまでに15人ほどが企業に就職しているという。 漫画では松浦さんをモデルとした主人公の松田大樹が「共生社会」をつくるために事業所を開設した経緯や、取り組みを紹介している。また、元利用者が就職先で暴力を受けたり、不当な労働をさせられたりしていた虐待事案をはじめ、トラブル解決や理不尽な制度などを正すために松田が「バトル」する姿を描く。 松浦さんは「例えば軽度や中度の知的障害のある人では、そうとは気づかれずに契約などでトラブルになるケースは少なくない。福祉はみんな知っているようで知らないところがあるので、漫画を読んで現場を知ってほしい」と話している。 A5判、144ページ。1100円。問い合わせは発行元のクリエイツかもがわ075(661)5741。

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