【AFP=時事】イラン当局がイスラエルと米国との戦闘開始以来初めてスパイ罪で有罪判決を受けた人物の処刑を発表したのを受け、北欧スウェーデンのマリア・マルメルステーネルガード外相は18日、イランが処刑したのはスウェーデン国民だと明らかにした。欧州連合(EU)はこの処刑を「残虐で無意味な暴力行為」と非難し、イランに死刑執行停止を求めた。 マルメルステーネルガード氏はAFPに対し、17日深夜に死刑執行の可能性が高いことを知ったと述べたが、処刑された人物の身元は明らかにしなかった。 イラン司法府の公式ニュースサイト「ミザン・オンライン」は、クロシュ・ケイバニという名の男がイスラエルのためにスパイ活動を行ったとして処刑されたと報じた。ケイバニ死刑囚は昨年6月のイラン・イスラエル戦争(12日間戦争)中に逮捕されたという。 報告書によると、ケイバニ死刑囚は「欧州6か国とイスラエルのテルアビブ」で訓練を受け、イスラエルの対外特務機関モサドの工作員と密会しては情報を流していた。 イスラエルと米国が2月28日に対イラン攻撃を開始したことで中東全域に紛争が拡大して以来、イランが死刑執行を発表したのは今回が初めて初めて。 ケイバニ死刑囚は2019年にスウェーデン国籍を取得した。イランに渡航した理由は明らかにされていない。 マルメルステーネルガード氏によると、スウェーデンは領事面会を複数回要請していたが、「イランはこの人物をスウェーデン国民とは認めず、面会を許可しなかった」。 マルメルステーネルガード氏は別の声明で、ケイバニ死刑囚処刑の知らせを「落胆」して受け取ったと述べた。 「スウェーデン国民の処刑に至った法的プロセスが、法の支配にのっとって行われたものではないことは明らかだ」と付け加えた。 EUの外相に当たるカヤ・カラス外交安全保障上級代表は18日夜、「イラン政権によるスウェーデン国民の処刑は、残虐で無意味な暴力行為であり、われわれはこれを非難する」と述べた。 さらに、「イランにおける人権状況の悲惨さと処刑件数の急増は容認がたく、政権の本性を露呈している述べ、イランに対しすべての死刑執行を停止するよう求めた。 イラン警察のアフマド・レザ・ラダン長官は15日、スパイ行為と「敵国や反イラン系メディアへの情報提供」の疑いで500人を逮捕したと発表した。【翻訳編集】 AFPBB News