「ホスト通いはお金を使った異次元スポーツ」「りりちゃんは同志だった」 44歳女性が出産を経て「もう自分のことは傷つけない」と語るワケ

アーティストであり、44歳で初産を迎える独身女性は、かつてホストにハマったことがあり、「りりちゃん」は同志だったという。現代に生きる女性たちは、いま、何を考え、感じているのか――。ノンフィクション作家、インベカヲリ☆さんが話を聞いた。 * * * ■着床はエイプリルフール 「これまで一度も妊娠したことがなかったから、もう産まない人生だと思っていました」 東京に住む瑠璃さん(仮名/44歳)は、27歳のときに、出会って3日目の男性と結婚し、6年後に離婚。現在は独身だが、その日は妊娠8カ月の大きなおなかを抱えていた。 「まさかって感じですよ。自分は妊娠しない人生だと思っていたから。逆算すると、着床した日がエープリルフールで、福島第一原発の視察をした日なんです。ガイガーカウンターをポケットに入れるとき、『女性は子宮の近くに入れて』って言われるんですよ。そしたら、その日に着床しちゃった」 彼女はこれから、シングルマザーとして出産する予定だ。無事に生まれたら、44歳での初産となる。 そんな瑠璃さんは、テキスタイルやキルト、インスタレーションなどの作品をつくる美術アーティストだ。私が見たある日の個展では、元夫の趣味で身に着けさせられていたというブラジャーとショーツを切り刻み、パッチワークしたキルト作品を展示していた。小柄で静けさのある佇まいだが、作品は尖とがっている。フェミニストでもある。 ■内診台から転げ落ちた 大変な状況に思えるが、瑠璃さんはとても落ち着いており、私が持ってきたあずき茶をニコニコしながら「美味しい」と言って飲んでいた。 とはいえ、妊娠判明時のショックはそうとうなものだったという。 「胸が痛くて、乳がんを疑って健康診断を受けたんですね。カーテン越しの内診台に座ったとき、なんか嫌な予感がしたんです。女医さんが、いつの間にか妊娠検査をしていたみたいで、カーテンの向こうでザワザワしているのが聞こえるんですよ。そのザワザワがだんだん近づいてきて、『すごく元気な子がいますよ』って言われて、『妊娠していますよ』というトドメの一言を言われたときは、びっくりして、『わあ!』って内診台から転げ落ちちゃいました」 このとき、妊娠2カ月だったという。 「初めて視界がぐにゃって歪む経験をしましたね。命への責任に押しつぶされそうになっ て過呼吸になってしまい『そんなこと言わないでください!!』とか泣き出してしまって。人が集まってきちゃって恥ずかしかったです。とりあえず、『20分ください』とお願いして、小さい子を育てているシングルマザーの友人にテレフォンしました」

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