「スター・ウォーズ」シリーズ屈指の人気を誇る“不屈のヴィラン”ダース・モールとは? “両刃ライトセーバー”と異色のキャラクター

「スター・ウォーズ」シリーズの最新作アニメーション「スター・ウォーズ:モール/シャドウ・ロード」(全10話)が4月6日に配信開始した。同作は、スター・ウォーズ屈指の人気を誇る“悪役”キャラクターのダース・モールを主人公に描くアニメーション作品。今回その配信開始に合わせて、コアなスター・ウォーズファンにとっては釈迦に説法かもしれないが、スター・ウォーズ初心者に向けて、あらためてモールの魅力について紹介する。(以下、シリーズのネタバレを含みます) ■主人公を追い詰める強敵として登場 モールが初めて登場したのは、1999年公開の「スター・ウォーズ/ファントム・メナス(エピソード1)」。「スター・ウォーズ」シリーズの通算4作目にして、新3部作(※映画シリーズは中心となる『スカイウォーカー・サーガ』と呼ばれる旧3部作、新3部作、続3部作の3部作3セットと、それらを補完するアンソロジー・シリーズがある)の第1作で、アナキン・スカイウォーカーを主人公とする物語の始まりとなる作品だ。 物語としては、旧3部作の32年前の銀河共和国を舞台にしており、ジェダイ・マスター(※正義の守護者の呼び名)のクワイ=ガン・ジンと、その弟子のオビ=ワン・ケノービが、惑星間の貿易紛争を平和的に解決するために、惑星ナブーのパドメ・アミダラ女王を守ろうとする。 そこに、生まれつきフォース(※エネルギーのこと)の力が強い奴隷のアナキンが加わり、謎のシス(※負の感情から生み出されるダークサイドのフォースを信奉する者)の復活に立ち向かうというもの。 ちなみに、シスとなった者は「ダース」の称号を冠するシスの暗黒卿として新たな名を授かる。ファンから人気の高いダース・ベイダーやダース・モールはこれに当たる。 この作品でシリーズに登場したダース・モールは、自身の師であるダース・シディアスの命を受けて通商連合(※銀河系最大規模の通商組織)が惑星ナブーを侵攻した際、封鎖線を突破して逃亡したパドメ・アミダラ女王を捜索する任務を与えられるが、彼女を警護していたクワイ=ガンによって妨害されて失敗してしまう。 その後、パドメ・アミダラ女王が帰星すると再び惑星ナブーを訪れ、クワイ=ガンとオビ=ワンと対戦。クワイ=ガンを倒し、オビ=ワンを追い詰めるも反撃を受け、最終的には胴を両断されて溶解炉に落ちて消えてしまう――という結末だった。 ■初登場から10年以上の時を経てシリーズに再臨 しかし、「スター・ウォーズ/クローンの攻撃(エピソード2)」(2002年)と「スター・ウォーズ/シスの復讐(エピソード3)」(2005年)の間の時代を舞台にクローン大戦のさまざまな戦場を描いた、アニメシリーズ「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」のシーズン3(2010~2011年)で、死亡したと思われていたダース・モールが生き延びていたことが判明。下半身を失いながらも、憎しみの力によってなんとか命をつなぎ止め、ごみ処理場の惑星ロソ・マイナーで大型の歩行機械と一体化。 「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」のシーズン4(2011~2012年)で、弟のサヴァージ・オプレスを弟子にして2人でオビ=ワンへの復讐に乗り出すが、その動きをダース・シディアスに察知され、「3人以上のシスの存在を容認しない」という“シス・オーダー”の掟(ルール・オブ・ツー)に従い、サヴァージを殺された上、自身も拷問を受ける。以降、「ダース」の称号を捨てたモールは、シディアスの拘束から脱走することに成功し、シディアスの抹殺を目的としてクローン戦争に第三勢力として介入。共和国と分離主義者双方と戦うことに。 その後、クローン戦争の最終局面で元ジェダイのアソーカ・タノに敗北。反乱同盟の戦士・レックスに逮捕され、クルーザーでコルサント(銀河共和国及び帝国政府の首都惑星)に護送されることに。だが、その道中、ジェダイ抹殺の緊急用プロトコル「オーダー66」が発令されたことで、混乱の中で拘束を解かれ、モールは逃走することに成功した。 そして、「スカイウォーカー・サーガ」(9本のメインストーリー)を補完する実写映画シリーズの“アンソロジー・シリーズ”となる「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」(2018年)では、裏社会の犯罪シンジケート「クリムゾン・ドーン」のトップに君臨する人物としてサプライズ登場するなど、長年にわたってスター・ウォーズファンを魅了し続けている人気のヴィランキャラクターだ。 最期は、スピンオフ作品のアニメーションシリーズ「スター・ウォーズ 反乱者たち」(2014~2020年)で、オビ=ワンと再会を果たし、私怨を捨てジェダイ、シスを超えた戦士としての一騎打ちの戦いを挑むが一瞬にして切り捨てられ敗北。息を引き取る間際に、オビ=ワンが「選ばれし者」(旧3部作の主人公であるルーク・スカイウォーカー)を守っていることを知り、ダース・シディアスへの復讐を代わりに果たしてくれることを願って、オビ=ワンに看取られながら絶命した。 ■少年心をくすぐるニクい設定 長きに渡るストーリーに、何度も物語の主軸から外れては再登場するほどの人気を集める秘密は、深みのあるキャラクター性に拠るところが大きいだろう。まず、歌舞伎の隈取を想起させる刺青と短い10本の角が特徴の悪魔的なデザインの見た目がインパクト大であるし、ダブルブレード(両刃)の赤いライトセーバーを巧みに使いこなす戦闘スタイルがカッコいい。 この、キャラ設定は特に男性ファンの少年心をくすぐるし、しかも「スター・ウォーズ/ファントム・メナス(エピソード1)」では、あわやジェダイ・マスターとそのパダワン(弟子)の2人に勝ってしまいそうになるほど“強い”というのがニクい。 加えて、圧倒的な強さを誇りながらも、少し残念なところがどこか応援したくなる。幼少期にその素質に目を付けたダース・シディアスに拉致され、シスとなるための過酷な訓練を課せられたという悲しい過去を持ち、下半身を失いながらも奇跡の復活を遂げるも、今度はダース・シディアスに使い捨てにされ…と全く目的を達成できないまま復讐したい相手がどんどん増えていくという“残念過ぎる”人生を送っており、強くてカッコいいはずなのに、大局的に捉えると“残念”な愛すべきキャラクターとも言え、ファンとしても憎み切れない悪役なのだ。 ■銀河を漆黒の闇に沈めるべく暗躍するモールの知られざる物語 配信が始まったアニメーション最新作「スター・ウォーズ:モール/シャドウ・ロード」では、アニメシリーズ「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ」の直後、ジェダイ・オーダーが崩壊し銀河帝国の支配が始まった暗黒の時代を舞台に、ダース・シディアスに見捨てられ、帝国への復讐心に燃えるモールが、帝国の影響が及ばない惑星で自らの悪の組織を築こうと画策。 そんな中、彼は銀河の現状に絶望した1人の若きジェダイ・パダワンと出会う。モールは自らの執念深い復讐を果たすための「弟子」として、そのパダワンを自らの陣営に引き込もうともくろむ――といった内容が描かれる。ライトセーバーアクション満載な、復讐と憎しみに燃えて生きるモールの新たな“悪”の物語となっている。 「スター・ウォーズ:モール/シャドウ・ロード」は、4月6日より毎週2話ずつ(全10話)ディズニープラスで日米同時独占配信。最終話は、世界中のファンが祝う「スター・ウォーズの日」である5月4日(月)に配信される。 ◆文=原田健

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