職員が北海道警の事情聴取を受けた影響で、夏の営業開始を2日間延期した旭川市の旭山動物園が1日オープンした。全国的な知名度を誇る人気観光地とあって大勢の市民や観光客でにぎわう一方、4月30日に飼育担当の園職員、鈴木達也容疑者(33)が死体損壊容疑で道警に逮捕された衝撃は、一夜明けても冷めていなかった。 オープンに合わせ、園を運営する旭川市の今津寛介市長がおわびのあいさつをしたが、報道陣に当初認めていた来園者のインタビューが当日になって禁じられるなど、緊張感も漂った。 正門前には待ちかねた100人を超える人が列を作り、開門を15分繰り上げた。 例年あった開園セレモニーはなかった。職員逮捕を受けて今津市長は「動物園は大変厳しい状況だ」とし、「皆さまの激励を力に変えて動物たちの命の輝きをしっかりと伝えていきたい」と来園者に呼びかけた。 事件現場とされる園内の焼却炉周辺で道警の捜査は続いており、関係者以外の立ち入りを禁ずる区域には警備員や市職員が配置され、厳戒態勢が取られていた。 家族3人で訪れた旭川市の会社員(32)は「報道で事件を知ってびっくりした。気にならないといえばうそになるが、動物たちには罪はないし、楽しめた」と話していた。 園には事件を受けて「なぜ開園するんだ」という苦情も寄せられているというが、記念写真を撮ったり、動物に歓声を上げたりする来園者の様子に、坂東元・統括園長や中田真一園長ら関係者は一様にほっとした様子だった。【横田信行】