Kirsty Needham [シドニー 23日 ロイター] – ドレイファス豪司法長官は23日、元米海兵隊パイロットでオーストラリアに帰化したダニエル・ドゥーガン被告(55)に関する米国の身柄引き渡し要請に応じると表明した。同被告は中国軍のパイロットに空母への着艦訓練を行ったとして、米国の軍備管理法違反の罪に問われている。 ドゥーガン被告は、2014年以降住んでいた中国から戻った直後の22年10月にニューサウスウェールズ州でオーストラリア連邦警察に逮捕された。 弁護団はこれまで、訓練した中国人パイロットが軍人であったという証拠はなく、容疑がかけられた時点でもはや米国市民ではなかったと主張している。 ニューサウスウェールズ州の判事は5月、同被告が引き渡し対象になるとの判断を示していた。 ドレイファス氏は発表文で「ドゥーガン氏には弁明の機会が与えられ、私は目の前の全ての資料を考慮した」と説明した。 ドゥーガン被告からのコメントは得られなかった。 同被告の妻は、12月30日から2月17日の間に身柄が引き渡されるとの通知を政府から受け取ったとした上で、家族は今回の決定に「打ちのめされている」とする声明を出した。具体的な理由を求めるなど、法的な選択肢を弁護士と共に検討しているという。