検察官から「裁判が終わったら、お酒を飲みたい気持ちはありますか」と問われると、被告人は「あります!」と間髪入れずに答えた。 法が、人の趣味嗜好そのものを禁じることはできない。仮に飲酒がトラブルの原因だったとしても「酒を飲むな」とは命じられない。 ただ、この法廷では、そのあまりにも力強い返答が、場の空気を重くした。 長野地裁は4月23日、過失運転致傷アルコール等影響発覚免脱、公務執行妨害の罪に問われた30代男性の公判を開いた。検察側は拘禁刑1年6カ月を求刑し、結審した。 「過失運転致傷アルコール等影響発覚免脱」という聞き慣れない罪名は、飲酒運転事故を起こした後、アルコールの影響を隠そうとする行為を処罰するものだ。 そして、この裁判では「被告人は酒とどう向き合うのか」が大きなテーマとなった。(裁判ライター・普通)