率直に言う 磐越道バス事故を「運転ミスだけの問題」として片付けてはいけない――見落とされた構造要因とは

福島県郡山市の磐越自動車道で2026年5月6日、部活動の遠征中だった高校生らを乗せたマイクロバスが事故を起こし、生徒ひとりが死亡、20人が重軽傷を負った。 バスは新潟市の高校ソフトテニス部を乗せて移動しており、運転していた68歳のドライバーは、過失運転致死傷の疑いで逮捕されている。事故直前には、乗っていた生徒が走行中の様子を動画で撮影し、「死ぬかもしれない」といった内容のメッセージとともに保護者へ送っていたこともわかっている。現場では事故前から危険な運転を指摘する声もあり、警察が事故の経緯を調べている。 ただ、この事故を ・ドライバー個人のミス ・一事業者の問題 として片づけるだけでは、なぜ同じような事故が繰り返されるのかは見えてこない。筆者(西山敏樹、都市工学者)は複数のテレビ局の取材で、「白バス行為にあたるのではないか」という社会的な関心を受け、この分野の専門家としてコメントを行った。 しかし、そこで取り上げられた論点とは別に、見過ごせない問題があると考えている。それは、 ・貸切バスの運行を支える契約のわかりにくさ ・発注側である学校現場の理解不足 ・2024年問題によって生じた運賃や人件費の上昇 である。本稿では、この事故を入り口として、人の移動を支える制度や経済の課題を整理していく。

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