SNSの発達により、違法薬物の流通経路は様変わりした。それを象徴するのが、5月13日に摘発された「東京ウーバー」の指示役の逮捕劇だ。 「東京を中心に関東近郊で覚せい剤やコカイン、大麻を密売していたとして住吉会系の中核組織の組員が逮捕されました。組員らは『東京ウーバー』なる密売グループとして活動し、Xで集客した顧客に薬物を配達や郵送で供給し、少なく見積もっても数千万円の売り上げを得ていた。このような密売スタイルは〝手押し〟と呼ばれ、違法薬物の入手経路として定着しており、マーケットの拡大の要因となっています」(全国紙記者) スマホひとつあれば、好きなときに自宅の近くまで違法薬物を届けてくれる――ウーバーさながらのサービスはこの件に限らず、SNSを検索すればいくつも出てくる。売り手からすれば、それだけ儲かる商売ということだ。 「東京23区はもちろん、町田や橋本、藤沢といったターミナル駅なら2,3業者が競合するほど手押し業者は溢れています。売る側からしても飛ばしの端末があれば始められるショーバイなので、参入障壁は低い。住吉会に限らず、どの組織もやってること」 そう語るのは、麻薬密売グループの幹部として活動するA氏。その口から語られる商いの実態は、なかなかに苛烈だ。 【ギャルの打ち込み動画で集客】 A氏によると、手押しグループの運営にあたっては明確な役割分担があるという。「東京ウーバー」のように実質的な指示役まで逮捕が及ばないよう、細かく階層分けしているというのだ。 「だいてい薬物を調達するのが暴力団員の役目で、売り役は堅気にやらせます。信用できる後輩だったり、長い付き合いの客で仕事がなくなったようなやつにやらせることが多いですね。逆に配達員は、顧客の中から暇そうなやつに声をかけてやらせるケースが多い。一番リスクが高いのは配達員なので、これは使い捨てみたいなもの。自分とは一切かかわらせないようにします。 1回の配達で数千円渡して、あとはネタをちょっと安く売ってあげて、みたいな関係。手押しを狙った強盗も〝あるある〟なので用心はさせますが、警察に捕まろうが強盗にあおうが、それは仕方ないよねってかんじですね」(A氏) 配達員よりもA氏が重視するのは、集客係だ。売り上げを左右する重要な役目らしく、この人選には気を遣うという。