「人を殺した」と自首した容疑者を現場近くに送り届けた兵庫県警の大失態 たつの市・母娘殺害事件

「人を殺したと自首している男がいるのに、取り逃がす。もう情けないというか、言葉が浮かばない」 こう言って頭を抱えるのは、兵庫県警の現職警官Aさんだ。 兵庫県警の前代未聞の大失態が明らかになった。 5月19日、兵庫県たつの市の民家で、田中澄恵さんと次女の千尋さんが遺体で発見された。千尋さんの知人が、何日も連絡がつかないのを心配して近くの交番に相談。安否確認に訪れた警官が、家の中に倒れて死亡していた母娘2人を発見した。兵庫県警は2人が刃物で首や体を刺されて5月13日ごろ殺害されたと判断し、たつの署に捜査本部を設置した。 事件現場の遺留品の鑑定結果などから、かつて田中さん宅の隣に住んでいた大山賢二容疑者が関与した疑いが浮上し、県警は23日夜に殺人容疑で大山容疑者の逮捕状を取り、24日に公開手配を始めた。 県警によると、田中さん宅から金品が奪われた形跡がないといい、 「隣人トラブルのような、恨みによる犯行ではないか」(捜査関係者) 大失態が露呈したのは、その直後だった。 遺体が発見される前の5月16日夜、たつの市の事件現場から約30キロ離れた兵庫県高砂市内で通行人から、 「路上で寝ている人がいる」 と高砂署管内の交番に届けがあった。 警官が現場に出向いて声をかけたところ、それが大山容疑者だった。 「現場で大山容疑者に話を聞くと、『人を殺した』などという。そこで、高砂署に任意同行して話を聞いた。『なぜ寝ていたのか』『家はどこか』などと尋ねている最中に『たつの市』などというので、所持品を調べた。しかし、話が一貫しておらず、凶器もなく、服に血痕などもなかった。それ以上の追及もできず、パトカーに乗せてたつの市の実家近くまで送っていった」(捜査関係者) 大山容疑者はこのときの所持金が550円で、スマートフォンも身分証明書も持っていなかったという。高砂署員は、大山容疑者がかつて住んでいた住所を調べ、その近くまでパトカーで送り届けていた。殺害現場となった田中さん宅から数百メートル離れたところだったという。この時点では、まだ田中さん母娘の遺体は発見されておらず、殺人事件があったことは認知されていなかった。

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