ドイツで史上最高気温、イベントも中止に……欧州で熱波の影響続く

ポール・カービー欧州デジタル編集長 熱波で高温が続いている欧州で26日、ドイツとベルギー、オランダで6月の最高気温が更新された。また、スペインとフランスでは熱波による死者が増加した。各国当局は、健康上のリスクを理由に、コンサートなどの公共イベントを中止している。 ドイツでは、フランスとの国境に近い南西部ザールブリュッゲンで、観測史上最高となる41.3度が暫定的に記録された。 フランスは今週、3日連続で最高気温を更新した。熱波のピークは越えたものの、ステファニー・リスト保健相は「自宅での死亡事例が発生している」ことに懸念を表明した。 世界気象機関(WMO)のクレア・ナリス報道官は、健康、生態系、農業、労働に対する「重大な影響」を警告し、「私たちは残念ながら、それに慣れる必要がある」と述べた。 6月のヨーロッパを襲っている熱波はゆっくりと北と東へ移動している。ベルギーの天気予報士ダヴィド・デヘナウ氏は、オランダ国境に近いクライネ・ブローヘルで、非公式ながら40度が記録されたと述べた。 オランダ南部リンブルフ州では、39.4度が記録された。一方、イギリスではサフォーク州キャヴェンディッシュで6月として過去最高の37.1度が暫定的に記録された。 AFP通信の計算によると、この日は欧州大陸全体で少なくとも1億5000万人が35度を超える気温に直面していた。 チェコの気象学者らは、これまでの最高気温だった40.4度(2012年)が、27日も更新される可能性があるとみている。オーストリアは28日に記録を更新する見通し。バルカン諸国でも極端な高温がみられ、セルビアでは今週末、最高気温が39度に達すると予測されている。 スイスでは27日、アーレ川の水温が25度に達し、原子炉の冷却には高すぎると判断されたため、ベツナウ原子力発電所の原子炉2基が送電を停止した。 気候科学者団体ワールド‌・ウェザー・アトリビュー⁠ション(WWA)はこの日、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、そしてイングランド南部において、持続的な高気圧の影響により、気温が平年より5〜12度高くなっていると述べた。 WWAは、6月が他のどの月よりも速いペースで温かくなっていると指摘。今回の熱波は調査地域において「記録上、最も深刻なもの」だと結論付けた。 気候変動は世界中で気温を押し上げているが、とりわけヨーロッパで顕著だ。欧州連合(EU)のコペルニクス気候変動サービス(C3S)によると、他の大陸に比べてヨーロッパ大陸は最も速く温暖化が進んでおり、世界平均の2倍の速さで気温が上昇している。 ヨーロッパの大部分では、今週末に熱波が大きく緩和される見込みはなく、スイスの氷河研究チームは、この熱波が山岳地帯にも影響を及ぼしていると警告した。 チューリヒの研究チームによると、氷河に蓄積された冬の氷のほぼすべての蓄えが、早ければ29日にも尽きる見通し。この時点から氷河の誘拐が始まるという。 氷河は通常8月に融解が始まるが、スイスの研究者らは、今年の氷河融解の進行いついて、観測史上最悪となった2022年とほぼ同程度に深刻だとしている。この年には、氷河の質量の最大6%が失われた。 ■各地でイベントが中止に、車閉じ込めも増加 イギリスと欧州各地を結ぶ高速鉄道ユーロスターでは27日朝、独ケルンから仏パリへ向かう列車が高温のため、ベルギーのブリュッセル東郊で故障した。この列車には約400人が乗車していた。ベルガ通信によると、予防措置として乗客3人が病院で手当てを受けた。 パリでは、週末に予定されていた大規模イベント2件が、地元当局の要請を受けて中止された。当局は、病院システムが「飽和状態」にあり、「最も弱い人々を支援すること」に資源を集中させる必要があると述べた。 27日に開催予定だったパリ・プライドの主催者は、イベントを9月に実施したいと発表した。音楽フェス「ソリデイズ」は、ロンシャン競馬場で26〜28日に開催される予定だった。同イベントは昨年、25万人を超える来場者を集めていた。 一方、やはり中止の可能性が指摘されていたシャルレティ競技場でのダイヤモンドリーグ陸上大会は、開始時間を午後遅くに変更するなどの「調整された形式」に主催者が合意したため、予定通り28日に開催されるという。 オランダで25日から開催されていた音楽フェス「Defqon.1」は、当局が極端な暑さに対する「赤色」警報を発令したため、26日以降の日程を中止した。しかし、発表の時点ですでに数千人が会場に到着しており、決定に怒りを示したフェス参加者による騒動の通報を受けて、警察が出動する事態となった。 ドイツでも、27日のハンブルク・ハーフマラソンを含む多数のイベントが中止されている。 フランスのリスト保健相は、極端な気象条件による死者が今後も増えると警告。医療体制にさまざま負荷がかかっているとして、パリ地域のすべての病院で緊急計画が実施された。 フランス南部マルセイユでは、生後18カ月の子どもが車の中で高体温症になっているのが発見され、その後死亡した。フランスではここ数日、同様の事例が相次いでおり、24日にはパリで3歳の子どもが車内に閉じ込められた。22日にも、南部カルパントラの町で幼い子ども2人が車内で命を落とした。 また、同国では熱波開始以降の水難事故で、死者が55人に達した。このうち3分の2が監視のない場所で泳いでいたと推測されている。 スペインの気温関連死を報告する監視システム「MoMo」は、21〜25日の間に熱波に関連する可能性のある死亡を327件確認しており、その大半が直近2日間に集中している。 同国での高温は次第に和らいでいるものの、バルセロナ北東部で森林火災が発生し、26日朝には1万6000人が自宅待機を余儀なくされた。また、放火の疑いで男性1人が逮捕された。 (英語記事 Europe's deadly heatwave breaks German record and halts public events)

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