【明倫中マット死事件】発生から33年、膨らむ賠償金1.1億円…その理由と内訳は?遅延金とは何か? 判決で元生徒に支払い命令も「無実を証明する」と対立姿勢 当時の現場画像も改めて見てみる(山形・新庄市)

33年前、山形県新庄市の明倫中学校で男子生徒が体育館のマット内で死亡した事件をめぐり、遺族が元生徒側に損害賠償を求めた3回目の裁判(第3次訴訟)の判決が、7月15日に山形地裁で言い渡されました。 山形地裁は遺族の主張を認め、元生徒3人に対し、合計約1億1200万円の支払いを命じました。 その根拠と内訳などを、判決要旨からひもときます。 ■事件の経緯とこれまでの裁判 この事件は、1993年(平成5年)1月13日、新庄市立明倫中学校(当時)の体育館内で、男子生徒が体操用マットの中心部の空洞に頭部から逆さに押し込まれ、そのまま放置されて死亡したものです。事件後、元生徒7人が傷害と監禁致死の容疑で逮捕・補導されました。 遺族が起こした民事裁判では、2005年に7人に対して合計約5760万円の損害賠償の支払いを命じる判決が確定しました。しかし7人からの自発的な支払いはなく、遺族は給与の差し押さえなどの強制執行措置を取りました。 そのうち4人からは一部回収できたものの、残りの3人については勤務先が不明などの理由で十分な措置が取れませんでした。 損害賠償請求権の時効(10年)が迫るたびに遺族は提訴を重ねていて、今回が3度目の裁判となっていました。 ■今回の判決のポイント(判決要旨より) 裁判で加害者とされる元生徒の3人は「無罪を前提とした主張を行っていく」として請求の棄却を求めていましたが、山形地裁は以下の理由から遺族側の訴えを認めました。 〇過去の確定判決に対する事実否認の却下・・・ 被告ら(元生徒)は今回の裁判で改めて暴行事実を否認しましたが、裁判長は、すでに2004年(平成16年)の判決で不法行為(暴行など)の事実が認定され確定していると指摘。「確定判決を受けたにもかかわらず、これに反して事実を否認して争うことは、信義則上許されない」として、被告側の主張を退けました。 〇消滅時効の主張を退ける・・・ 被告側は「すでに支払い義務の時効が成立している」と主張しましたが、裁判所は、過去の強制執行手続きによる時効中断の効力などをふまえ、遺族側が時効になる前(2025年11月)に今回の訴訟を起こしたことを認定。時効の成立は猶予されているとして、被告側の主張を退けました。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加