刑事裁判で無罪が確定したのに、事実と異なる「性暴力疑惑」という杉並区議の発言が区のサイトに残っているとして、看護師の浅沼智也さん(37)が8月4日、議会で発言した田中裕太郎区議と区に計110万円の賠償や情報の削除を求める訴訟を東京地裁に起こした。 浅沼さんは、トランスジェンダーの支援団体「トランスジェンダージャパン」の元共同代表。2024年3月、知人女性への強制わいせつ容疑で青森県警に逮捕され、その後に暴行罪で起訴された。 青森地裁は25年、「暴行を認めるには合理的な疑いが残る」として無罪判決を言い渡した。検察側は控訴せず、判決はそのまま確定した。 一方、田中区議は23年11月、区議会定例会で「LGBTQ+理解促進講座で講師を務めた浅沼智也氏の性暴力疑惑が浮上している」と発言。議事録や動画が杉並区のサイトに載ったほか、区議会だよりにも田中区議の発言として「浅沼智也氏に性暴力疑惑が浮上」と記載された。 浅沼さん側は訴状で「無罪が確定しており、発言内容は真実でない。田中区議に性暴力の犯人と決めつけられたうえ、杉並区が発言を広く拡散した」と主張している。 提訴に対して、杉並区は「訴状が届いていないのでコメントできない」とした。田中裕太郎区議は取材に応じなかった。(上保晃平)