19歳・早瀬憩「心身ともに削られる」坂口健太郎とのセッションで感情引き出された…28日公開の映画「私はあなたを知らない、」でヒロイン役初挑戦

女優の早瀬憩(いこい、19)が、28日公開の映画「私はあなたを知らない、」(中野量太監督)でヒロイン役に初挑戦している。複雑なバックボーンを持つ18歳の少女・東浜朝子役を演じた。自身の徹底した役づくりや、主演の坂口健太郎(35)とのセッション、3月に高校を卒業した現在の生活や「唯一無二の俳優」を目指す彼女の素顔に迫った。(高澤 孝介) 名前の通り、周囲を和ませる雰囲気を持つ19歳。その柔らかな素顔とは裏腹に、今作ではディープで複雑な感情を抱える難役に真っ向から挑んだ。 今作は早瀬演じる朝子が、自分の父になるはずだった青年・西山夕平(坂口)に迫る物語だ。夕平は13年前に一緒に暮らしていたシングルマザーの紗月(堀田真由)を殺害した罪で逮捕。朝子は自分の母を殺した相手に近づき、真実を追っていく役どころだ。 幼少期に母を亡くすという複雑な環境にある役柄を演じ「挑戦の多い役でした」と回想。「(母を亡くし)すごく孤独だったので、孤独感を意識しながら演じました。でも、真っすぐで素直なところもあったり、夕平と出会ってからの変化も含めて、朝子の人生を伝えたいと思いました」 撮影中には、自身の出番はないのに、倉田瑛茉(えま、6)が演じた朝子の幼少期のシーンを見学したり、母殺害の事件資料を朝子目線でまとめたりするなど、徹底して役づくり。「朝子として実際に生きて、朝子が経験したことを自分も経験してみようと思いました。なるべく一心同体の状態でいたかった」。自身と役をシンクロさせ、説得力を内側からにじみ出させた。 そんな中、「心身ともに削られるような時間でした」と振り返るのが、主演の坂口との面会室でのセッションだ。計5回のシーンを2日間で撮影。カット毎に変化する夕平への気持ちに苦戦した。脚本を読み込んでも想像できなかった感情があったものの「坂口さんと対峙(たいじ)した時に『朝子はこんな気持ちになるんだ』と自分の中に腑(ふ)に落ちた。夕平の表情や言動に愛が感じられて、台本だけでは想像できない感情を引き出していただきました」と感謝した。 登場人物それぞれの思いが交錯する今作。撮影期間中もチーム内で議論を活発に行ったという。「一つの作品を作ろうと同じ方向に進んでいるチームでも、すごく意見が割れた。だったら映画を見てくれた人は、より意見が割れると思う。見た人によって受け取り方や感じることが違う作品になっているんじゃないかな」と期待感を抱いた。 3月に高校を卒業し、自分と向き合うこともできるようになった。「学校に行かなくなって家にいる時間が増えたので、料理をしたりキャンドルやお香を集めたり、家を居心地よくすることを大切にしています」。一方で体形管理のためにジムやウォーキングも始めた。「半日くらい散歩することもあります。学校に通うだけでも運動だったんだなと(笑)。やっぱり体が資本なので」とプロ意識も日々高まっている。 今年は映画「モブ子の恋」「マジカル・シークレット・ツアー」など、話題作に多数出演。思い描く理想像を尋ねると、「長く続けられる俳優になりたい。そして『この役は早瀬憩にしか演じられない』と思ってもらえる唯一無二の俳優になりたい」。素顔の柔らかさとストイックな芯を併せ持つ19歳は、その表現の領域を静かに、そして確実に押し広げていく。 ◆「私はあなたを知らない、」 天涯孤独の青年・西山夕平(坂口)は、職場にパートとして入ってきた女性・東浜紗月(堀田)と5歳の娘・朝子と出会い、初めて“家族”を知る。しかし、ある出来事をきっかけに夕平は紗月を殺害してしまう。13年後、成長した朝子は夕平の存在を知り「母を殺した男」であり「自分を本当の娘のように愛してくれた男」でもある服役中の彼に会いに行くことを決意する。 ◆早瀬 憩(はやせ・いこい)2007年6月6日生まれ。千葉県出身。19歳。21年に日テレ系連続ドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」で女優デビュー。24年に新垣結衣とダブル主演した映画「違国日記」などで第67回ブルーリボン賞新人賞を受賞。今年は映画「モブ子の恋」「マジカル・シークレット・ツアー」などに出演。趣味は読書、カメラ、ベース、映画観賞。特技は水泳。身長160センチ。

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