ルビオ米国務長官は18日、国際刑事裁判所(ICC、本部=オランダ・ハーグ)の赤根智子所長を制裁対象にすると発表した。米国内の資産凍結や、入国禁止の措置を取る。トランプ米政権はICCが国家の主権を脅かしていると繰り返し批判しており、トップの制裁に踏み切った。 ICCは戦争犯罪に関与した国家指導者など個人を裁く常設の国際刑事法廷で、米国は非加盟。ロイター通信によると、ICCは声明で「国際的な法秩序そのものがリスクにさらされている」と懸念を表明した。今回はセネガル出身のICCの法律家も制裁対象とされた。 トランプ政権はICCを巡り、アフガニスタンでの米兵による戦争犯罪の捜査や、イスラエルのネタニヤフ首相らに対する逮捕状の発付を批判してきた。昨年2月にはICC関係者を制裁する大統領令に署名し、検察官や裁判官らを次々と対象にしている。最近の米国によるイランやベネズエラに対する軍事行動には「国際法違反」との批判も出ており、ICCの捜査をけん制する狙いもあるとみられる。 ルビオ氏は18日の声明で、ICCが米国を含む非加盟国の国民に対しても「繰り返し権限を行使しようとしてきた」と指摘。「腐敗し、致命的なほど政治化されている」と非難した。トランプ政権はICCの弱体化や解体に向けて圧力を強めており、今年になってからはベネズエラやチャドが脱退の意向を表明している。【ワシントン平野光芳】