アメリカのトランプ政権が、ICC(国際刑事裁判所)の赤根所長らを新たに制裁対象に加えました。 ICCは、制裁にはひるまないなどと声明を発表しています。 ICC・赤根智子所長(2024年3月): ICCがやっていることは世界において不処罰をなくすこと。 18日、トランプ政権から制裁対象に加えられたICCの赤根智子所長。 オランダ・ハーグに本部を置くICCは、「戦争犯罪」や「人道に対する罪」などを犯した個人の刑事責任を問う国際機関で、赤根氏は2024年3月から日本人初の所長を務めています。 判事時代の2023年には、ロシアのプーチン大統領に対しウクライナからの子どもの拉致に関与した疑いで逮捕状を出し、反発したロシアは赤根氏らを指名手配しました。 アメリカも、以前からICCを敵視しています。 ICCがガザ地区での戦闘を巡ってイスラエルのネタニヤフ首相に逮捕状を出したことや、アフガニスタンでのアメリカ兵らによる戦争犯罪疑惑を捜査したことに強く反発。 ルビオ国務長官は声明で「腐敗し、政治化された裁判所で権限を乱用している」と批判し、必要であれば、ICCを「組織的に解体するため、さらなる措置を取る」と警告しました。 ICCには現在、日本など125の国と地域が加盟していますが、アメリカや中国、ロシア、そしてイスラエルなどは加盟していません。 こうした中、赤根所長は2024年、アメリカやロシアを念頭に「ICCは国連安全保障理事会の別の常任理事国の機関からあたかもテロ組織であるかのように厳しい経済制裁を受けると脅かされている。私たちは裁判所の独立性と公平性に影響を与えようとするいかなる試みも断固拒否します」と発言しています。 赤根所長がアメリカの制裁対象に追加されたことを受けて、ICCは19日、「司法に携わる者が法を適用したことを理由に脅迫されれば、国際的な法秩序そのものが危険にさらされる」と強く非難する声明を発表した上で、「職員らを標的とする措置にはひるまない」と強調しています。 また、EUのフォンデアライエン委員長は自身のXに「ICCは世界で起きた最も凄惨(せいさん)な犯罪の被害者に正義をもたらす役割を担っている。裁判官や職員は外部からの圧力を受けず独立して行動できなければならない」と投稿しています。