韓国国内の富裕層や著名人の個人情報を不法に収集し、巨額の金を奪ったハッキング組織の首謀者が、一審で懲役20年の重刑を言い渡された。 ソウル中央地裁刑事合議31部〔朴俊奭(パク・ジュンソク)部長判事〕は、特定経済犯罪加重処罰法上の詐欺および情報通信網法違反などの罪に問われた中国籍のチョン被告(37)に懲役20年を言い渡した。 海外を拠点とするハッキング犯罪組織を結成したチョン被告は、2023年8月から昨年1月までに入手した個人情報を使って被害者名義で格安スマホを無断で契約し、金融口座や暗号資産のアカウントにアクセスして約380億ウォン(約43億6000万円)を奪った疑いが持たれている。 犯行の標的には、BTS(防弾少年団)のジョングクをはじめ、大企業の会長や代表など企業関係者9人、芸能人やインフルエンサー3人などが含まれていた。 ジョングクは約84億ウォン相当のHYBE(ハイブ)株を奪われかけたが、所属事務所が直ちに取引停止措置を取ったため、実際の被害は免れたと伝えられている。 チョン被告は昨年5月、タイでインターポール(国際刑事警察機構)との連携により逮捕された後、同年8月に韓国へ強制送還され、拘束起訴された。 裁判でチョン被告は、自分より上の立場にいた「ハンソン」という人物が実質的な責任者だったと主張した。しかし、裁判所はメッセンジャーのやり取りや外付けハードディスクに保存されていた標的となった人物のリスト、暗号資産ウォレット内の犯罪収益などを根拠に、この主張を退けた。 裁判部は「通常のボイスフィッシングとは異なり、被害者らは無防備な状態で財産を奪われた。被害額が数百億ウォンに上るにもかかわらず、全く回復されていない」とし、「国家の金融システムの根幹を揺るがした重大な犯罪だ」と判示した。 ただ、チョン被告が事実関係の一部を認めていることや、犯罪収益の全額を独占したわけではないことなどを量刑に考慮したと明らかにした。