時間に追われ、憧れ置き去り/利用者に暴行 青森県内の介護福祉士

「幼い頃、祖母に支えてもらった。今度は自分が支える側になりたい」。そんな思いを抱いて憧れの介護福祉士となった青森県内の男性(28)が今年2月、勤務先の老人ホームで入所者に暴行した疑いで逮捕された。車椅子に座っていた女性利用者の頭を平手でたたき、鼻をつまんだ。約2時間後には、ベッドで寝ていた女性の髪をつかんで引っ張った。暴行は複数日にわたり計15回。女性は全治約10日のけがを負った。守るべき利用者に手を上げた男性に、何があったのか。 男性は短大卒業後、介護福祉士として約5年間働いた。勤務先の施設は3階建てで、各階に20部屋があった。男性は夜勤中、3階を一人で担当していた。 2月24日、夜勤のため午後4時から勤務を開始。利用者の夕食介助を終え、同9時から始まるミーティングまでに寝かしつけなければいけなかった。しかし、同8時半ごろ、一室の女性が起き上がろうとしているのに気付いた。女性は自力で立つことができず、転落の危険があった。 「ミーティングに間に合わない」 焦った男性は、女性の髪をつかみ、何度もベッドにたたきつけた。その後も、「いいかげん早く寝ろ」と思いながら、女性が起き上がろうとするたびに暴行を加えた。翌日午前2時ごろには、ベッドで寝ていた女性の額にベッドフレームを打ち付けた。 「真面目に働いていた。ただ、忙しくなると利用者に冷たくなったり、口調が荒くなったりすることもあった」。青森地裁での裁判で、男性の同僚の供述調書が読み上げられた。 被告人質問では、男性が夜勤について「業務が多く忙しい。休憩も取りにくかった」と振り返った。弁護人から「どこかで歯止めをかけられなかったのか」と問われると、少し間を置き「ストレスを職場の人に相談すべきだったが、一人で抱え込んでしまった。その結果、手を上げてしまった」と動機を語った。 法廷で男性は、今後について「介護の仕事からは離れます。もう暴力をしないと約束します」と述べた。 6月、執行猶予付きの有罪判決を受けた。

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