朝ドラ「風、薫る」きっかけで木下尚江の生家に注目 ヒロインのモデル・大関和と生涯通じ親交 長野県松本市

「明治のナイチンゲール」と称された看護師で、廃娼運動など女性の地位向上に取り組んだ大関和(1858~1932)がモチーフのNHK朝の連続テレビ小説「風、薫る」をきっかけに、松本市歴史の里(長野県松本市島立)に移築されている地元出身の社会運動家・木下尚江(1869~1937)の生家に注目が集まっている。尚江は和との結婚を考えたことがあり、浅からぬ接点があった。 尚江は松本中学校(現松本深志高校)の後輩で友人の相馬愛蔵(新宿中村屋の創業者)を通して和を知った。明治24(1891)年に新潟県高田町(現上越市)の知命堂病院で看護長をしていた和を訪ね、教会で行われた廃娼演説会に和の依頼で登壇。尚江にとって廃娼をテーマとした初の演説で、ここから親交が始まった。 30年、尚江は仲間とともに松本で始めた普通選挙運動をきっかけに逮捕され、東京の鍛冶橋監獄に収監された。東京に戻っていた和は度々面会に訪れた。尚江はその心遣いに感激し、和との結婚を考えるようになる。しかし、和の方が11歳年上ですでに社会的な地位を築いているのに対し、尚江は今後の活動さえ見通せない立場で、愛蔵らの反対を受け断念した。その後、尚江は和の紹介で看護師・和賀操子と結婚。夫婦と和の親交は晩年まで続いた。 ドラマの登場人物では、活字工や新聞記者として働きながら小説家を目指す「シマケン」こと島田健次郎が尚江に近いと思われる。ただ、史実と異なる部分も多く、歴史の里学芸員の須永瑞希さんは「尚江の人物像の一部がエッセンスとして含まれている、といった方がいいかもしれない」と話す。いずれにしろ尚江は和と深く関わりのあった人物であることに間違いないことから「ドラマをきっかけに木下尚江にあらためて興味を持ってもらえたら」と願っている。

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