全東信破産から1カ月半…スナックを直撃取材「もう店を畳むしかない」 “夜の街”を襲った大きすぎる「破綻の代償」

負債総額約1150億円で破産したクレジットカード決済代行業者「全東信」。今年最大規模となった衝撃の倒産劇から1か月半が経った今も、依然として夜のネオン街でその余波が続いている。売上金の未入金やクレジットカード利用停止によって、多くの飲食店やラウンジで連鎖倒産の危機が叫ばれているのだ。 「一般的にはなじみが薄い全東信ですが、キャバクラやスナックなど、ナイトビジネス系店舗の多くが利用していました。こうした店舗が今から新たにクレジット決済代行会社に切り替えるのは現実的に難しいでしょう。今回の破産によって全国2万件の加盟店が被害に遭い、約53億円の売上金が未入金状態となった。回収は極めて困難で、一般債権者である店側に分配される残余資産は“1%未満になりそう”と関係者の間で囁かれています」(全国紙経済部記者) 夜の街でいったい何が起きているのか──。池袋から電車で20分程度の場所にあるスナック『G』のママ・Aさん(70代)が内実を語ってくれた。 「うちはラッキーなことに、全東信は使っていなかったのよ。たまたまクレジット決済を導入したのが早かったからね。でも、周りのお店はかなり深刻な被害を受けたみたい。あの報道があった直後、カラオケの業者が慌てた様子で“大丈夫ですか?”って電話をかけてきたくらいで。そこの話だと、この小さな街だけでも20店以上が全東信の倒産で手痛い目に遭ったんだって。実際、“もう店を畳むしないない”って切実に話している知り合いもいるしね」(Aさん) 今やキャッシュレス決済が当たり前になっているが、ナイトビジネスの個人事業主にとってクレジット決済はかねてより頭を悩ませる問題だったようだ。 「正直、店にとってクレジットは好ましくはないの。手数料を取られるわけだから」 と、Aさんも苦々しげに語る。 「手数料はクレジット会社によって微妙に違うんだけど、総じて言えるのは昔より安くなっているということ。うちの場合、20年前は7%くらいで、今は2.8%くらいかな。ただ、全東信ってこの手数料が意外と安かったそうなんだよね。そこも人気の理由だったんだと思う」(前同) これには少し補足が必要かもしれない。ママが言うように、現在のクレジットカード決済手数料は2〜3%が相場となっているが、水商売系の店は決済リスクの高さから4〜6%前後となるケースも多い。これに対して全東信の場合、店側は売上の3〜6%程度を決済手数料として全東信に支払っていた。それらを踏まえると、全東信の手数料だけが桁違いに安かったとは決していえない。 「それよりも実感として大きな問題は、クレジット決済ってお金が入ってくるのが遅いのよ。現金払いだったら、すぐキャッシュが手に入るでしょ? なのにクレジットの場合は15日締めで1か月以上も入金が先だったりするわけ。だけど全東信を使えば、5日後とかには現金が振り込まれるらしいからさ。飲み屋を経営する人間にとって全東信っていうのは、めちゃくちゃありがたい存在だったの」(同)

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