映画『時給三〇〇円の死神』(10月2日公開)の完成披露試写会が8月31日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、ダブル主演を務める西畑大吾と福本莉子をはじめ、渋谷凪咲、齋藤潤、泉谷星奈、佐津川愛美、酒井麻衣監督が出席。お祝いゲストとして、主題歌を担当したHY(新里英之、名嘉俊、許田信介、仲宗根泉)も駆けつけ、会場を盛り上げた。 藤まるの同名小説を、「美しい彼」シリーズや『ストロベリームーン 余命半年の恋』(25)を手掛けた酒井監督が映画化した本作。父親の逮捕や両親の離婚を経験し、生きる希望を失っていた大学生の佐倉真司(西畑)。そんな彼の前に現れたのは、どこか不思議な空気をまとった同級生・花森雪希(福本)だった。ある日突然、花森から佐倉に持ちかけられたのは、半年間限定、時給300円の“死神”のアルバイト。仕事内容は、この世に心残りを抱えたまま亡くなった“死者”たちの願いに寄り添い、あの世へ送り出すことだった。 まず不思議なタイトルにも興味を引かれたという西畑は、「原作、脚本も読ませていただいて。びっくりするくらい泣きました」と告白。「本当にステキな作品に出演させていただけるんだなと、うれしい気持ちになりました」と明かした。死神役だと聞いて驚いたという福本も、「ファンタジーなんですが、現実世界とリンクするような、人が抱えている悩みや想いがリアルに描かれていて。すごく感動しました」と感銘を受けたという。 西畑と福本は、劇中でバディを組んだ。「普段、なにわ男子というアイドルグループに所属していて」と切り出した西畑は、「うちのメンバーと共演されていることが多くて。勝手に親近感があって。メンバーと共演しいてると、勝手に友達、知り合いみたいな感覚になっている。親近感もあったし、お芝居もすごくステキなので安心感もありました」と福本とバディとして共演できたことへの喜びを吐露。福本は「初めましてだということも感じさせないくらい、なんでも受け止めてくれる。器の広さがあって、すごく頼もしかったです」と西畑への信頼感を打ち明け、これには西畑が「ありがとうございます」と思わず笑顔に。司会から「器が大きい?」「なにわ男子のなかでも?」と尋ねられると、西畑は「地球くらい。(なにわ男子のなかでは)一番かなと思います」と胸を張り、会場の笑いを誘っていた。 お互いに関西人であることも、親近感を覚えるきっかけとなった2人。福本がアドリブを繰り出す場面も多かったそうで、西畑は「びっくりしました。すばらしかったです」と惚れ惚れ。福本は「関西人なので、西畑さんはどんなアドリブをしてもツッコんでくれる。心強かったです」と頬を緩めた。酒井監督は彼らの体現したバディについて「最高でした」と称え、「あえて、天最高(てんさいこう)と言わせていただきたい」と、西畑が使っているお馴染みのフレーズで“天才”と“最高”を掛け合わせたワードを発動。「天最高なバディでした」と表現し、西畑と福本を喜ばせていた。 物語のカギを握る小学2年生の死者の少女、四宮夕役を演じる泉谷も、西畑の器の大きさを実感したとのこと。泉谷は「私が撮影中に、お腹が痛くなってしまって。撮影を止めてしまって、お手洗いに行かせてもらった。帰ってきて謝りに行こうとしたら、西畑さんが『全然大丈夫だよ。俺もそんなことある』となぐさめてくれた」と回想。「アイドルだからお腹痛くなる時がなさそうだなと思ったけど、私が気にしないようにそう言ってくれて。すごくうれしかったです」と続けて西畑と会場を笑わせながら、「福本さんと西畑さんみたいな、すばらしい大人になりたいなと思いました」と展望を口にした。泉谷のコメントに会場からも拍手が上がるなか、西畑は「心がぽかぽかします」と目尻を下げていた。 またこの日は、主題歌「心海」を書き下ろしたHYも駆けつけた。作詞と作曲を手掛けた仲宗根は、映画を観ながら「映画の物語と自分の人生がリンクしていった」という。西畑は「本編とエンドロールに流れる『心海』を合わせて、この作品。本当にぴったり」としみじみ。福本も「当時、花森さんを演じていた時の心情が蘇ってくるくらい、花森さんの心情に寄り添った歌詞。救われたような気持ちになりました」と楽曲への想いを語った。 最後に西畑は「目の前にある当たり前のすばらしさ、儚さを描いている作品でもある。日常や周りの人たちに改めて感謝するきっかけになれば」と希望。「天才で最高な作品。天最高な作品」と熱を込めた。福本は「細部まで、こだわって作ってくださっている映画。戻れない過去があるからこそ、いまを大切に生きようと思えるような作品」だと本作の魅力をアピールし、大きな拍手を浴びていた。 取材・文/成田おり枝